カテゴリ:巻子(巻物) > 巻子(WORKS)

DSC01435
掛軸と巻子(巻物)は、似ているようで異なる部分が結構あります。

掛軸は、美術品の要素が求められますが、巻子は、書物としての要素が求められる為、構造や仕立てには明らかな違いが出てきます。

因みに表紙と奥付きの金砂子紙は、『本金5:中金5』の松月堂オリジナルです。
DSC01432
DSC01331
DSC01332
DSC01333
DSC01336
DSC01434
DSC01436

DSC08016
家系図と言えば巻子(巻物)のイメージですが、床の間に掛ける事を想定し掛軸に仕立てております。
ご依頼主は、構想の段階でこの形を考えておられ調査も含めると20年以上の歳月を経て具現化することとなりました。

二幅一対の掛軸ではありますが、巻子の要素をディテールに落とし込んでおります。
これに関しては、ご依頼主と何度も打ち合わせを重ねてまいりました。

表紙と奥付は、既製品ではなく松月堂オリジナルの金砂子紙で、本金と中金を五分五分で混ぜ中金がいずれ朽ちていくことで経年劣化を楽しんでもらえるよう趣向を凝らしています。
DSC07004
DSC08006
DSC08007
DSC08008
DSC08009
DSC08010DSC08011
DSC08012
DSC08013
DSC08004
DSC08017
DSC08019
DSC08021DSC08014
DSC08024
DSC08023




CDB5A723-3324-4487-AF23-8C04989DED92
巻子の見返しに使用する金砂子紙は、自ら金砂子を和紙に撒いています。
砂子の割合や形は様々あると思いますが、僕は本金箔と中金箔を敢えて混ぜて作っています。

いつまでも輝き続ける本金の中に、色褪せていく中金の経年変化を愉しんで頂きたいという面白みを含ませています。

いずれ、金金砂子が金銀砂子の様な味わいになれば良いなと。
F9345B8E-FB44-4519-AF6F-1777F815A481




巻子は家系図や絵巻物、文書、伝来を記す為に発達したとされる媒体で掛軸と同じく表具師の仕事です。
 一見、同じ様にも見えますが用途の異なるこの2つは、それぞれ仕立て方に工夫が凝らしてあります。
 表具師として大切なのは、モノの意味を理解し工夫する事だと思っています。
DSC01568DSC01570
DSC01569
DSC01571
DSC01573
巻子(巻物)表装
ご依頼主/岐阜県




DSC08207
歌川広重の東海道五十三次を絵巻(巻子)で巡る。
しかも、原寸大で。
こんなワクワクする発想からプロジェクトが始まりました。

※このプロジェクトは、トッパン・フォームズ株式会社株式会社イーアートが発信元です。松月堂は、絵巻の巻子表装部門を担当させていただきました。

みなさん、原寸大で複製することがどれほどの大きな価値があり、意義があり、そして信頼関係(トッパン・フォームズ㈱、㈱イーアートとボストン美術館)の構築の証であるかは、以下をご覧ください。歴史的なことなのです。
クリック → http://www.toppan-f.co.jp/news/2018/0301.html

数年の歳月を経て、最新鋭のデジタル印刷技術を駆使し、何度も色彩校正のチェックをし、原画を忠実に再現されている55枚の作品は、表具師の僕が見ても圧巻です。
特に、歌川広重独特の青(blue)は、非常に鮮やかで思わず引き込まれてしまいます。

「東海道五十三次」の旅を絵巻(巻子)で、是非どうぞ!

YouTubeにて、メイキング映像公開中です!※配信元は、トッパン・フォームズ株式会社です
ショートVer. → https://www.youtube.com/watch?v=UmCxenvszkc
ロングVer. → https://www.youtube.com/watch?v=ky4fwnU7bzg&t=8s

※私も表具師として出演していますので、是非探してみてください


企画制作
トッパン・フォームズ株式会社
〒105-8311 東京都港区東新橋1-7-3
03-6253-9273
       
発行者
株式会社イーアート
〒104-0053 東京都中央区晴海1丁目8-5-1906
03-3532-7473
mail:hayano@e-art.ne.jp
DSC08222
DSC08223
DSC08228
DSC08226
表紙の見返しは、松月堂オリジナルの金砂子紙と金箔筋仕上げ
DSC08227
軸先は、高級な本紫檀
DSC08229DSC08215
上下巻セットの二巻一対です
DSC08211
桐箱にも拘っています
DSC08216
上蓋の縁は、重厚感のある面取り仕上げ
DSC08219
DSC08217
寸分の狂いも無い精巧な作りの印籠蓋仕様です。
使い始めは、開けづらいですが精度の高い証拠で、密閉性も抜群です。
質の高い桐箱は、大事な作品を守るために重要な役割を果たします。
DSC08233
付属品はとても豪華で、非常に分かり易い解説書付き、日本語と英語(English)の両方で解説しています。
この解説書だけで商品になるくらいのボリューム感です。必読です!
DSC08234
DSC08235
DSC08242
DSC08240
DSC08236
DSC08237
DSC08238
DSC08239
DSC06061 (1)




DSC05572-1
巻子(巻物)ではあるけれど、掛軸の様に扱いたい。
それが、ご依頼主のご要望です。
巻子・掛軸の『いいとこ取り』で仕立てました。
だから、製品としても両側面の細やかな工夫が詰まっています。
単に巻物風の掛軸とは一線を画しています。
DSC05574-2
DSC05580




DSC05786
巻子(巻物)の表紙に使用する、金砂子紙を製作します。
手間も時間も掛かり面倒なので、近年では加工された既製品を使用する職人さんが殆どですが、何でも拘ることがモットーの僕は、自分オリジナルが好きです!
この作業は繊細な極薄の金箔を扱うため、呼吸を整えるトレーニングにもなります。
もちろん、使用する金箔は純金(本金)なので、輝きは永遠です。




DSC02146
鑑真和上の苦難の旅を描いた『東征伝絵巻・五巻』の複製です。
唐招提寺様へ奉納する為の貴重な品です。
最新のデジタル技術を駆使して複製印刷された絵巻は、とても精度の高い仕上がりとなっており圧倒されました。
松月堂は、複製印刷された原本を巻子に表装する工程を担当させていただきました。
クライアントと何度も打ち合わせを重ねながらの製作(表装)となりましたが、細部までとことん拘った巻子を仕立てることができました。
DSC02111
桐箱も柾目の美しい高級仕様です。
DSC02147
巻子の表紙は、2パターン製作しました。
DSC02148
奉納式の写真
唐招提寺にて、実際に奉納されている場面です。
昨年の案件なのですが、なかなかBlogで紹介するタイミングがなくてかなり遅くなってしまいました。




松月堂で仕立てる巻子(巻物)はひと味違う。
見栄え、使い心地、耐久性、、、
細部までとことん拘っているのです。
詳しくは、四代目まで!
2015_03090008
2015_03090009
2015_03090010




DSC03327
DSC03328
ご覧の通り、大小様々なご朱印で、紙質・厚みも異なる中々のツワモノです、、
保管重視でかつ、鑑賞もできる媒体といえば、巻子(巻物)です。
ご依頼主の並々ならぬ情熱と苦労の末の貴重な新秩父三十四ヶ所なので、
そんな想いに応えるように表装しました!
DSC04058DSC04118
DSC04120
DSC04181
巻子は、掛軸より若干丈夫に仕立てるのが肝です。




↑このページのトップヘ