カテゴリ: 釈迦涅槃図・修繕

長期間共にした釈迦涅槃図さん。
本当に色々なことがありました。
数多くのことを学び、 職人としてアップグレードする要因になったと確信しています。
これまでも釈迦涅槃図・修繕は、いつも異なる困難を与えてくれます。
「だから、楽しい」と言える仕事ではございませんが、僕の性格上、大きな壁は嫌いじゃないです。

修繕の仕事は、ただ単に繕い直すことだけでなく、その(ご依頼品)背景を常に意識することが大切かと思っています。

合掌
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▲修繕前
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 ▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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 ▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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特注の太巻き桐箱とタトウ箱、1人で扱うのは少々大変です。
※右の桐箱は通常サイズです
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上蓋のディテールも桐箱職人さんが拘ってくれました。
僕が、何も言わなくても当たり前に仕上げてくるところが嬉しいですね。




前回の続きです。
本当にお見せしたいところは割愛しておりますが、修繕の流れをポイントでご説明します。
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▲修繕対象となる本紙部分を解体した状態です。
ここまでには、ドライクリーニングや絵の剥落止め作業など、多くの工程を経ています。
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▲本紙を裏返し、特注サイズの作業台の上で、何層にも重なっている裏打ち(和紙)を剥がす作業をします。
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▲修繕作業を終え、裏打ちを施した状態です。
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▲切継ぎ作業(表具のパーツを継ぐ作業)
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▲全てを継ぎ合わせ、総裏(全体を裏打ち)した状態です。
長い時間乾燥させます。
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▲裏返してもう一度長い時間乾燥させます。
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▲長くて太い軸棒を取り付けています。
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▲特注サイズの太巻き芯棒です。
修繕された本紙・掛軸を守るため、太い円周で保存管理することはとても重要なことです。
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▲細かな装飾を施し、検品作業を経て完成となります。

to be continue...




その掛軸、【巾:1910㎜ × 高さ:2900㎜】につき
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見上げるほどの特大掛軸(釈迦涅槃図・修繕)のご紹介をします。

数百年経っている掛軸は、通常サイズであっても時間を掛け調査をし、修繕プランを幾通りも考えます。
今回の釈迦涅槃図・掛軸は、かなりの時間を掛け、修繕(修理修復)作業へと入りました。

大掛かりで、神経を使う仕事をする際には、ゆっくり・マイペースをとても意識しています。
ゆっくり時間を掛け仕事をすることは、現代のビジネスの流れに相反しますが、利点が数多くあります。
例えば、
★平常心を保てる
★いろいろなアイディア・ひらめきが出てくる
★小さな綻びから大きな綻びを発見できる
★自分を何度も見つめ直すことができる
★丁寧な仕事ができる
★ご依頼品に優しくなれる
たとえば、、おっと、止まりませんのでこの辺で。

修繕においてあまり専門的な説明は、つまらないと思いますので適当に参りましょう。
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状態の甚だしい掛軸には、横折れ、剥がれ、気泡、欠損部がいっぱいあります。
これを繕い直し、後世へ継承させることが私たちの仕事です。
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鍍金の剥がれた金軸です。
これもクリーニングをし、再鍍金塗装します。

to be continue...




小規模な修繕でも同じではございますが、やはり大掛かりな修繕作業を行う際には、
いくつもの修繕プランを時間を掛け準備していきます。
その中でもリスクが高いと想定される工程には、様々な選択肢を考えながら確実な対処法を
保険として残しておきます。
経験や勘に甘んじてはなりません。

そして精神状態を良好にし、本紙(ご依頼品)の気持ちを汲み取りながら
すぅ~っと、作業に入るようにしています。
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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後(欠損部を描き足すことはご法度です)




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前




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▲修繕後




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修繕した掛軸を太巻き桐箱で保管することは、長期間保存する上で非常に重要な意味があります。






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