カテゴリ: 表創(HYO‐SOU)
WORKS vol.392(時々是好時)
WORKS vol.390(山田無文/清寥々)
WORKS vol.389(玉井香山/雲与我無心)
WORKS vol.388(尾関桃林/心)
掛物という表現
染織家の伊村夕子さんの布を表具させていただきました
WORKS vol.356(群英/孔子曰)
安田しげ子/犇く 修繕と額装
戦前の趣ある旧家でお店を営む、Analogue Lifeの岩越さんから書『犇く』を額装にしたいとご相談頂いたのは、昨年のこと。
当初は、書に裏打ちをして額へ納めるという比較的易しい案件と理解しておりましたが、実物(書)を拝見し、また書を大事にしたいという想いを伺い、それでは書を長きに亘り愉しむこと・保存することは困難であることをお伝えしました。
beforeの写真では分からない部分、いわゆる書の内部・裏面の状況は決して良い状態ではなかったということです。岩越さんは、私の長々とした講釈にも熱心に耳を傾けてくださり、とても奥深い根幹を見つめる姿勢に表具師として悦ばしい思いでした。
実際に、修繕を開始してみると書の内部・裏面は、想像以上に劣悪な施しがしてあることが分かりました。
実は、このように一見では予測できない安易な事例は稀ではなくしばしばある為、修繕前にいかなる展開にも対応できるように、あらゆる準備をします。
そうすることで、どんな状況であっても平常でいられます。
今回は、この仕事を三部構成(修繕・下地製作・額装)の映像に納めておりますので、ご覧頂けましたら幸いです。

▲before(修繕前の状態)

▲after

▲before

▲after

▲before

▲after

フレーム(額縁)は、岐阜県各務原市にあるtokotowaの小林さん(指物師)へお願いしました。
小林さんとは、初めてお会いした時に古くからの知り合い(友人)のような印象で、随分長話をしました。色々と話していくうちにいくつか面白い共通点があることも分かり、馬が合うはずです。
もちろん、仕事への向き合い方・技術やアイディアも豊富で尊敬できる素晴らしい方です。
フレームの材は、栗無垢の無塗装で製作していただきました。
栗は腐りにくく、耐水性もあり防腐処理をしなくても長年使用できる優れた木材ですので、今回の修繕と額装の趣旨にとても馴染みます。






額装下地の裏面は、利休色の絓絹(しけぎぬ)を使用しました。
絓絹を表具で扱うということは、格式ある印であり、本来は然るべき高級な屏風や額装でしか見ることはありません。
但し、今回は伝統的な格式という趣向ではなく、書とフレームの相性と材料としての耐久性を重視した結果自然とそうなっていった感覚です。
私の目指す先は、常にシンプルであることに尽きます。



【安田しげ子/犇く】
寸法 -detail-
・幅:二尺三寸七分 × 高さ:二尺三寸四分/W:720㎜ × H:710㎜
素材-material-
・栗材(フレーム)/chestnut wood
・杉材(下地)/cedar wood
・和紙(純楮紙、他)/washi
・絓絹(裏面)/silk
・正麩糊(小麦粉澱粉)/japanese paste





Hiroe Saeki 四曲屏風-Folding Screens-
雪景
WORKS vol.324(遥)
福寿 → 福寿
日置路花 軸装

長野の善光寺近くにある、夏至(gallery&shop)店主の宮田さんから日置路花さんの書を軸装にしたいとご相談を頂いたのは、昨夏のことでした。
所有者と作者の想いを汲み、飾らない表具にしました。

書/日置路花 ※表装前の状態


以下は、この度の軸装に加えて製作動画とキャプションを私なりにまとめたものです。
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production video full ver.(製作動画)
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表具
この文字からは、見栄えや華美な装飾といった表層的なことを連想してしまうだろう…。
しかしながら、それは些か安易である。
ここ数年、私は表装美という言葉を意識しているが、ここで言う『美』は、表具の構造美や機能美といった一見では理解しがたいものであり、時間を掛けて説明するに他ならない。
私の求めている表具は、書や絵画を表装技術を持って下支えする事が第一本命で、表具の取り合わせ(デザイン)というものは、不自然でなければ良しであり、超絶技巧とも無縁である。
例えば、軸装することで本紙(作品)の未来は、数百年先まで残すことが可能だが、取り合わせ部分は、修繕の都度潔く新しくするものであり基本的には残らない。
本紙の経年変化に合わせて、やはり不自然でない取り合わせをし、維持させていく。
表具することは、決して大袈裟なことではなく所有者・作者の想いを手助けする、御用聞きのような位置付けとして理解してもらえると幸いである。
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【日置路花 軸装 -Jikuso-】
寸法 -detail-
・幅:二尺四寸×高さ:三尺二寸/W:727㎜×H:970㎜
素材-material-
・綿/cotton
・麻/linen
・正絹/silk
・和紙(純楮紙)/washi
・檜葉/wood
・銅/copper
・正麩糊(小麦粉澱粉)/japanese paste
糸
金箔額装
WORKS vol.266(開神悦體)
和紙、杉材、竹釘、それだけ
concentration
WORKS vol.262(中村淳子)
必然と偶発の境界
WORKS vol.259(鼠図)
修繕と表具
木龍と美脳
WORKS vol.252(燕と藤)
WORKS vol.243(豊川枳尼真天・三州豊川)
いろは歌
海
Mori Bito(守人)
肖像画
WORKS Vol.187(森田悟由 ※永平寺64世貫首、曹洞宗5代管長)
真
生きる
ツートンカラー
余白
WAKA・武者

【WAKA・武者】
作品:若武者と鯉のぼり(友禅和紙)
裂地:西陣織(古代風正絹)※無地部2色共に
軸先:青磁
収納:高級二重上桐箱(加州塗り箱・タトウ箱・美術品用防虫香付き)
※高級桐箱(タトウ箱・美術品用防虫香付き)に変更可
本紙サイズ【巾:47㎝ × 高さ:63㎝】
掛軸サイズ【巾:73㎝ × 高さ:170㎝】※軸先含む
お問合せはこちら▼
info@shogetsudo-hyoso.jp
日々是好日
カブトムシ
命名掛軸
WORKS Vol.64
WORKS Vol.63
意味

もともと古い屏風に張ってあった色紙です。本紙(色紙)の状態は、経年劣化が甚だしいものでした。
先ずは、本紙の修繕を施してから色紙を掛軸へと表装しました。
さて、この掛軸は、表創(HYO-SOU)というコンセプトで仕立てています。
表具を創造する、、いわゆる古典的な形式に囚われない自由な発想を重要視しています。
近年、その類いの掛軸を見かけるようになっては来ていますが、僕にはある違和感があります。
黒を基調としたモダンでおしゃれな掛軸・・・
巧みな技を凝らした工芸品のような掛軸・・・
斬新なデザインの目を引くような掛軸・・・
何か忘れていないでしょうか、、、
表具の美は、本紙(作品)をさり気なく引き立てることであり、本紙の内容・意味・想いを理解してこそなのです。
だから僕の表創(HYO-SOU)には、頭から足の先・寸法の数字にまで、全て意味があります。
意味がなければならないのです。
その上で格好良いものを創るのです。











シークレット
概念を取り払う
金箔・GAKUSO(額装)
なんとなく黒を選んだわけではない
お雛様の刺繍→軸装へ
刺繍が趣味のおばあちゃんが、娘孫に送る為にご依頼されたものです。
とっても可愛らしい作品ですので、そのイメージを受けて一般的な表装形式ではなく、
デザイン表具で仕立てました。
テーマは、作品がふんわりと花が咲くような感じです。








松月堂WORKS Vol.32
松月堂WORKS Vol.31
白雲自去来
はくうんおのずからきょらいす
松山萬密(妙心寺派第27代管長)書
『青山元不動(せいざんもとふどう)』とセットで使用される禅語です。
青山という本体は不動であるが、白雲が去来することによって時々刻々相貌を変えていき、さらに趣を増すこともある。自分は泰然としていて、かつ変化してやまない。
この言葉が似あう人に憧れます。
お問い合わせ → info@shogetsudo-hyoso.jp
WAKA・武者








【Hina・JIKU】にインスパイアされた【WAKA・武者】は、端午の節句にお似合い
【WAKA・武者】が強く、たくましく育つ男の子を優しく見守ってくれます
【Hina・JIKU】と比べ、表具の柱を太くすることによりたくましさをイメージし、色味は藍色で日本男児らしさを演出しました
本紙筋廻しと掛軸の覆輪(両サイド)は3厘(約1mm)と極細仕立てです
軸先は、誠実で爽やかな色味の青磁を使用
とにくデザイン・仕様にはとことん拘って表装しました
息子を想う、父の力作です


【WAKA・武者】
作品:若武者と鯉のぼり(友禅和紙)
裂地:西陣織(古代風正絹)※無地部2色共に
軸先:青磁
収納:高級二重上桐箱(加州塗り箱・タトウ箱・美術品用防虫香付き)
※高級桐箱(タトウ箱・美術品用防虫香付き)に変更可
本紙サイズ【巾:47㎝ × 高さ:63㎝】
掛軸サイズ【巾:73㎝ × 高さ:170㎝】※軸先含む
お問合せはこちら▼
info@shogetsudo-hyoso.jp