
この仕事をしているせいか、神社仏閣は私の日常に溶け込んだ存在である。
境内を参拝する際に注視しているポイントのひとつは手水舎で、山門から歩いてきて手と口を清め、ようやく心が切り替わっていく段階だと思っています。
先日訪れた奈良県にある室生寺の手水舎は、別格の存在でした。
先ず目を引いたのは、無駄なものが一切ないこと。手水舎によくあるのがどっしりとした屋根で、そこにぶら下がっている手拭いや柄杓に書かれている提供名。
これ以上のコメントは控えますが、参拝をする上で最低限の設えがあればそれで十分で、それこそが日本の美であり魅力だと私は考えいます。
この手水舎が特質しているところは、ただシンプルなだけでなく、デザイン性に長けているところにあります。デザインに関してはプロではないので専門的に述べることはできませんが、囲いはシャープな直線で、水盤はほんのり丸みがあり、そのコントラストと普遍的なデザインが生み出す陰翳が実に格好が良い。
マニアックな目線で恐縮ではありますが、室生寺の手水舎は必見です。
ちなみにお恥ずかしいことに、あまりに魅了されてしまい、貴重品を手水舎の脇に置き忘れてしまったことは、不覚でした。笑
後日、お寺の方がとても丁寧に対応してくださり、無地帰還しております。