状態の甚だしい冊子(帳面)を修繕させて頂きました。
afterのお写真をご覧になると少々気になる点があるかと思われます。

既存の冊子は、糸で和綴じされていたものでしたので、本来であれば修繕後同じように和綴じすることが常でありますが、それはどちらかというと美術品としての側面に偏っているのかもしれません。
しかしながら、保存という観点で見てみると違和感が生まれてきます。

この冊子はご依頼主と相談の上、美術品としての要素より貴重な資料として重要なものだと理解したため、敢えて和綴じをせず一枚一枚単体であるべきと設定し、修繕を施しました。

もちろん頁は、既存の並び順にしています。
また、今後資料に触れることも考慮し、四方は和紙で余白を設け、既存にはなるべく負担を掛けさせないように工夫しています。
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▲before
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▲after




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▲before
DSC04708▲after




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▲before
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▲after




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▲before
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▲after




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▲before
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▲after(題箋も同様に施しています)
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題箋を剥がすと元々の記載が現れた為、これも資料と判断し敢えて張り直しをせず単体として扱っています。




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▲before(裏表紙)
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▲after




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▲before
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▲after




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▲before
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▲after




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▲before
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▲after