2020年08月
塵落としの引手
蛇の抜け殻

『 ん 』です。
脱皮したての蛇の抜け殻を見つけると運気(金運・子孫繁栄)が上がると言われています。
蛇は、身の安全を守るために目立たないところで脱皮するから何処で脱皮するか判らない為、とても貴重なことなのです。
ご依頼主は、その貴重な蛇の抜け殻を玄関で発見された強運の持ち主です。
基本的に額装にする場合は『 寿 』や『 一本筋 』にすることがほとんどですが、ご依頼主夫婦にとってひらがなの『 ん 』にとても縁があるということから、『 ん 』+『 丸⇒円⇒縁 』と意味を繋げて表装させていただきました。
※丸には魔除けの意味があるという説もあります

表装前の状態

※後ほど保護用としてアクリルガラスを嵌め込んでいます




蛇の抜け殻/額表装
ご依頼主/岐阜県
WORKS Vol.147(稲葉心田)
御所車
WORKS Vol.146(西国三十三ヶ所霊場)
桐箱の箱書きを生かす

掛軸にとって桐箱(掛軸収納箱)は、お家の様な存在で、数百年前から掛軸と共存しています。
そして掛軸と同様に状態は悪くなっていきます。悪くなるを分かり易く言うと機能性が著しく低下するということです。
所謂、桐箱として一番大事な調湿性能が落ちる為、掛軸を守ってくれなくなるのです。これでは、修繕した掛軸を箱に収めても意味がありません。
しかしながら、古い桐箱には箱書き(題名)が付き物です。贔屓にさせて頂いている桐箱職人さんは、その箱書きを生かし、新しい桐箱の上蓋部分に寸分の狂いもなく嵌め込む技術を持っています。
密閉性の高い印籠タイプの桐箱は、掛軸を保存する上で最適なのです。

▲before

▲after

▲before

▲after

▲before

▲after
余白
WORKS Vol.145(西国三十三ヶ所霊場)
龍橋老師/無心大道帰 掛軸修繕
表装工房 SINCE 1920

僕がデザインしたアイアンのモニュメントです。
杉山製作所さんでフルオーダーで製作していただき、早一年が経ちました。
今年で創業100年を迎えるにあたり、感謝の意を込めて何か記念になるものを残したいとずっと思っていました。
...『経年変化』だ。
そう閃いた瞬間に鉄(アイアン)のプロフェッショナルである杉山製作所さんへお願いすることは自然な流れでした。特殊な表面加工を施したこのアイアンは、脚の部分は雨にも強い錆止めがされており、メインの部分は長い年月を掛けて表情が不規則に変化するように工夫されています。
僕のオーダーを全て叶えてくれました。
※文字をくり抜くことで夜の存在感を引き出すアイディアは杉山製作所の職人さんです
決して看板ではなく松月堂のシンボルとなるようなモノをイメージしてデザインしたこのモニュメントには、いくつかの想いが込められています。
皆さん、弊店へご来店の際には是非気に掛けてやってください。




