2020年02月

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修繕前の状態です。
本記事では、修繕工程のごく一部をご紹介いたします。
修繕のテーマは、『あくまで現状維持』です。




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元々は屏風だったものを本紙(作品)部分のみを丁寧に剥がした状態です。
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作業台の上に保護紙を用意し、微量の水分を与えて本紙を伸ばし、古い和紙(裏打ち)を剥離させる準備をしています。
※本紙は、裏返した状態です
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数種類のピンセットや独自(自作)の道具を使い、古い和紙(裏打ち)を少しずつ剥がしていきます。
集中力・持久力を伴う繊細な作業が続きます
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古い和紙(裏打ち)は、多いものだと4~5層ありますDSC07213
今回は、3層の古い和紙(裏打ち)を剥がしています。
どんどん本紙裏面が鮮明に見えてきました
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最初と比べると本紙裏面の状態がよく分かります
ここまで剥がすのには、丸一日掛かることもしばしばあります
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猿のお知りに△の落書きの様なものがあるのが分かりますか?
古い和紙(裏打ち)を剥がすと、この様なシークレットメッセージがあったりします。
僕が推察するには、作家(狩野山雪)の真筆である証拠ではないかと思います。
この仕事をしていると色んな時代にタイムスリップすることができ、誰も知り得なかった情報に出会うことができます。
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古い和紙(裏打ち)を3層剥がし、新しい裏打ちをして仮張りから外した状態です。
ここまで仕上げるのに、約一ヶ月掛かります。修繕はとても手間と時間を必要とします。
これからこの作品を掛軸へと仕立てていきます。




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※照明・フラッシュの関係で写真が黄なりになっていますが、実物は黄なりでなく白く見えます



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※照明・フラッシュの関係で写真が黄なりになっていますが、実物は黄なりでなく白く見えます



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※照明・フラッシュの関係で写真が黄なりになっていますが、実物は黄なりでなく白く見えます



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作家/勝海舟
ご依頼主/神奈川県




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ご依頼主の神社仏閣巡りのBLOGを是非、ご覧ください。
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坂東三十三ヶ所霊場/額表装
ご依頼主/東京都




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西国三十三ヶ所霊場/掛軸表装
ご依頼主/愛知県




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群馬県より仕上がった掛軸のお引き取りにご来店いただきました。
出来栄えにとても気に入ってくださり、ホッといたしました。
お世話になりました、ありがとうございます。
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坂東三十三ヶ所霊場/掛軸表装
ご依頼主/群馬県




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石垣張りとも言います。字のごとく和紙を斜に積み重ねて張っていく技法です。
元々は、和紙を多用していた昔、大判の和紙がなく半端物でも貴重だった和紙を継ぎ合わせて、そこに意匠という美を後付けしたことが始まりであったと思います。

千鳥張りに正式なルールがあるわけではないですが、障子の本数・寸法によって古典的な決まりごとはあります。
しかしながら、障子のサイズや格子の数によって条件は様々なので、僕は和紙の継ぎ目がより美しく見えるところを計算して張っています。

現在では、茶室や格式の高い日本建築でしか見かけなくなりましたが、このご依頼をいただくとお施主様の粋を感じて嬉しくなります。
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西国三十三ヶ所霊場/掛軸表装
ご依頼主/奈良県




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掛軸は格好良い。




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