2018年07月

今回のご依頼品には、もともと掛軸収納箱(桐箱)があったのですが、その桐箱には無数のカビ染みが斑点状に帯びていました。掛軸と桐箱のいずれから発生したのかは、定かではありませんが、保存・保管の状況が良好ではなかったことは伺えます。
よって、修繕(染み抜き)後の掛軸を収める桐箱は、今後のカビ染みの発生を防ぐことも考慮し、新調することをお勧めしました。

修繕するという行為は、ご依頼品(掛軸)単体だけではなく、それを取り巻く環境全てを整えることがとても大切です。
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表具のトータルバランスから、真新しい煌びやかな本金鍍金金軸ではなく、古びた風合いのある古代色金軸を選びました。
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作家:出口王仁三郎/観音様
ご依頼主:長野県




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松月堂オリジナルの色紙掛けです。
ネット上で販売されている既製品とは、一線を画しています。
ご依頼主のご要望(デザイン・色味・サイズ・用途)に合わせてお仕立てします。
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『 一輪明月照禅心 』
※解釈 暗闇を照らす月の光は、 あたかも苦しみ悲しみの闇に暗む 私達の心を明るく照らす一筋の光明、 慈悲の心に 例えられます。 禅心とは、静まりかえった心の様子、 坐禅の心とも言えましょう。

心の闇を優しく照らす月明かりをイメージし、表具にしました。
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ご依頼主・東京都




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『 美よし野の山のしら雪積らしふるさと寒くなりまさる也里 』
※解釈 吉野の山では今ごろ白雪が積もっているのだろう、古都(奈良の都)でも寒さが増している、という歌。

吉野の山へ深々と雪が降り積もる様子をイメージし、表具で表現しました。
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ご依頼主・東京都




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歌川広重の東海道五十三次を絵巻(巻子)で巡る。
しかも、原寸大で。
こんなワクワクする発想からプロジェクトが始まりました。

※このプロジェクトは、トッパン・フォームズ株式会社株式会社イーアートが発信元です。松月堂は、絵巻の巻子表装部門を担当させていただきました。

みなさん、原寸大で複製することがどれほどの大きな価値があり、意義があり、そして信頼関係(トッパン・フォームズ㈱、㈱イーアートとボストン美術館)の構築の証であるかは、以下をご覧ください。歴史的なことなのです。
クリック → http://www.toppan-f.co.jp/news/2018/0301.html

数年の歳月を経て、最新鋭のデジタル印刷技術を駆使し、何度も色彩校正のチェックをし、原画を忠実に再現されている55枚の作品は、表具師の僕が見ても圧巻です。
特に、歌川広重独特の青(blue)は、非常に鮮やかで思わず引き込まれてしまいます。

「東海道五十三次」の旅を絵巻(巻子)で、是非どうぞ!

YouTubeにて、メイキング映像公開中です!※配信元は、トッパン・フォームズ株式会社です
ショートVer. → https://www.youtube.com/watch?v=UmCxenvszkc
ロングVer. → https://www.youtube.com/watch?v=ky4fwnU7bzg&t=8s

※私も表具師として出演していますので、是非探してみてください


企画制作
トッパン・フォームズ株式会社
〒105-8311 東京都港区東新橋1-7-3
03-6253-9273
       
発行者
株式会社イーアート
〒104-0053 東京都中央区晴海1丁目8-5-1906
03-3532-7473
mail:hayano@e-art.ne.jp
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表紙の見返しは、松月堂オリジナルの金砂子紙と金箔筋仕上げ
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軸先は、高級な本紫檀
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上下巻セットの二巻一対です
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桐箱にも拘っています
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上蓋の縁は、重厚感のある面取り仕上げ
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寸分の狂いも無い精巧な作りの印籠蓋仕様です。
使い始めは、開けづらいですが精度の高い証拠で、密閉性も抜群です。
質の高い桐箱は、大事な作品を守るために重要な役割を果たします。
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付属品はとても豪華で、非常に分かり易い解説書付き、日本語と英語(English)の両方で解説しています。
この解説書だけで商品になるくらいのボリューム感です。必読です!
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作家:斎藤茂吉
額縁:チーク材
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ご依頼主・長野県




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八坂神社から南へ3分ほど歩くと見えてくる石塀小路の行燈。
これを目印に左へ目をやると、そこは皆が求めている京都の風景。
ノスタルジーな路地を少し歩くと右手にギャラリー悠玄(しぇりークラブと併設)
正に、理想的な立地!僕もこんなところに表装工房を構えたいものです。
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中へ入ると古民家をリノベーションした和モダンな空間が広がっており、そこへ展示されている作品との相性もとっても良しです。写真&アートの融合した数々の作品は、素直に楽しむことができ息子も興味深そうに作品を眺めていました。
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▲『 チャンピオンたちのお弁当 』
タイトルも作品も思わず凝視してしまいます。必見です。
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▲左の掛軸は、僕が表装させていただいたものです。作品(肖像画)の人物は、作家の磯山智之(Tomo Isoyama)さんご本人です。

八坂神社、清水寺のついでに是非、どうぞ!




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▲第十七番・六波羅蜜寺・京都市東山区 2018年7月15日

うだるような暑さの京都、、、この日は、気温39度近くある酷暑日。
音羽山・清水寺から少し離れた場所に鎮座し、人混みは落ち着いている六波羅蜜寺さん。
とはいっても三連休の中日ということもあって人にも暑さにもやられてしまいそうでした。
『 忘れるべからず、こまめな水分補給 』
本堂へ入ると日陰ということもあり、若干涼やかで気持ちも安らかになりました。
子供たちも汗びっしょりだったので、少しほっとしました。
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石の門と鉄の柵がなんともカッコイイ正面
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夏の空と六波羅蜜寺
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境内に入ったら先ず、手を清める。
子供たちも率先して行動するようになりました。
とても大事な参拝作法です。
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PILGRIM・Tシャツと本堂
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今回も無事帰ることができました。
ありがとうございました。

PILGRIM -Return safely for you-




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訓民正音とは、李氏朝鮮の第4代国王の世宗(セジョン)が制定した文字体系ハングルの古称です。
当時、文字の読み書きのできなかった民衆の為に、朝鮮語を表す言葉(訓民正音)を創り、それを民衆に広め誰もが文字を使うことが出来るようになりました。
この文字には、優れた規則性があり全て口の動きを表しているので、民衆にとって容易に覚えることができたそうです。
これをご依頼主に教えていただき、ハングル文字を見てみると本当に口の動きの文字で、目からウロコでした。これなら子供でも覚えやすいですね。
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ご依頼主・岐阜県




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以前、お世話になったお客様主催の展覧会のお知らせです。
場所は、京都・清水寺の近くです。
今夏、京都へ行かれる方は是非、新たな芸術へ触れてみてはいかがでしょうか。
※僕の表装した掛軸も展示して頂いております

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【Inheritance ~ 継承 磯山智之&磯山福正】

現代美術は、それが属する文化についてのクリティークである。美術作家は自分が属する文化について、作品のなかで話をする。歴史や宗教、科学や芸術、経済や社会の構造、個人の内面や精神世界までも統べる、ある一つの文化のなかに存在し、それらについてひとくさり論ずるのが現代美術なのだ。僕は日本で生まれ育ち、カリフォルニアで美術教育を受けた。ハードウェアは日本製で、制作過程で僕の中で動いているソフトウェアはカリフォルニア製である。僕はそれを僕自身の作家としての揺るぎない個性であると考えている。僕の作品は、僕の知っている二つの文化によって産み出されたものだが、そのどちらか一方にだけ属するものではなく、またそのどちらか一方についてだけ語ろうとしている訳でもない。ただ僕は、この二つの異なる文化の接点にいて、僕にしか見えないものが確かにあり、それらを形にして早く誰かに伝えなくてはいけないと思っている。僕はそれらを美術作品として残す義務があり、能力がある。僕がやらなければ他に誰もやる人はいない。僕の作家としての動機はそこにある。

磯山智之(Tomo Isoyama)
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【作家の紹介】

磯山福正(Yoshimasa Isoyama)

東京都墨田区在住。
慶長7年(1602年)開基の真言宗智山派・正福寺住職。
還暦を過ぎ水墨に親しむ。王青・王凱に師事、現在は沈和年に指導を受ける。2006年から各水墨画展に出品し入賞多数。


磯山智之(Tomo Isoyama)

1971年9月2日磯山家の次男として正福寺に生まれる。
青山学院大学英米文学科修了後渡米。
2000年南カリフォルニア大学美術学部大学院卒業。
多文化共生を前提とする米国にて、文化リサーチに基づき主に写真を用いたデジタルメディアの作品を制作。
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【期間】7月6日(金)~8月30日(木)12:00~19:00/月曜休廊
【場所】京都/ギャラリー悠玄(京都石塀小路しぇりークラブ内)

〒605-0825
京都市東山区下河原町489-2
TEL&FAX:075-525-2201




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西国三十三ヶ所霊場・御詠歌・掛軸表装
ご依頼主・滋賀県




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秩父三十四ヶ所霊場・額装
ご依頼主・埼玉県




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Webで見つけて即購入したアイロンです。
表装裂地を扱う際に、アイロンを使用するので気になる道具の一つです。
半年ほど使用した感想は、文句なしです。適度な重量感でスチームの加減もよく、重宝しています。
クラシックなフォルムですが、またそこがイイ!
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通常、ご朱印帳の紙の厚みや素材では、掛軸にするのは困難です。
しかもご朱印帳の紙の種類・サイズは、販売元によって個体差があります。
数百種類あるご朱印帳の紙の状態を熟知し、表装の方法を変えていかなければなりません。

その方法とは、例えば、裏打ち和紙の種類(厚みや素材)を変えることであったり、糊の配合や加える水の加減の調整であったりします。表装の工程には、一定の答えはないので、その都度適切な方法をアジャストさせていく経験と知識と発想力が求められます。

何故か、そういった面倒なことに魅せられている自分がいます。
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ご朱印帳を丁寧に解体するところから良い仕上がりになる勝負は始まっています。
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西国三十三ヶ所霊場・御朱印帳・掛軸表装
ご依頼主・滋賀県




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玄奘は、唐代の中国の訳経僧。玄奘は戒名であり、俗名は陳褘。諡は大遍覚で、尊称は法師、三蔵など。鳩摩羅什と共に二大訳聖、あるいは真諦と不空金剛を含めて四大訳経家とも呼ばれる。
629年に陸路でインドに向かい、巡礼や仏教研究を行って645年に経典657部や仏像などを持って帰還。
※wiki参照
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表装前の本紙は、シワ・折れ・破れがあり和紙に腰がない為、安易に手で持つとあっさり破れてしまいそうな状態です。取り扱いには、細心の注意が必要です。DSC06478
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ご依頼主:某ご寺院様




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御朱印帳を解体し、一枚一枚裏打ちを施し、裁断し、順に継ぎ合わせたものです。
今回は、これを掛軸に仕立てます。
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リノベーションしたお家の床の間へ、ご依頼主のお父様の書を竣工に合わせて掛軸表装してほしいというご依頼です。また、床の間の壁面は黒色で、それに合った表装をお任せでお願いしますとのリクエスト。

僕がいつも考える、表装裂地の取り合わせの優先順位は、書の持つ力や意味・内容に溶け込む表装(掛軸)であるかで、その次に掛軸を飾る空間に相応しい表装であるかなんです。

掛軸は、インテリアに媚びるのではなく、先ず本紙(作品)を引き立てることが非常に大切です。
これが表具師としての『 心得 』です。


◆表装裂地のイメージ◆
 【外廻し】は、字体の柔らかさと書の意味(家族を想う愛情)から伝わる温かい色味。
 【一文字】は、歳を重ねた男性らしさを地色が紺系の金襴。
 【本紙筋廻し】は、上記両方の色味を中和させる意図で薄緑。
 【軸先】は、外廻し・一文字の色味と相性の良い紅為。

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ご依頼主・宮崎県




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ご依頼主から頂いたお写真です






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