もともと古い屏風に張ってあった色紙です。本紙(色紙)の状態は、経年劣化が甚だしいものでした。
先ずは、本紙の修繕を施してから色紙を掛軸へと表装しました。
さて、この掛軸は、表創(HYO-SOU)というコンセプトで仕立てています。
表具を創造する、、いわゆる古典的な形式に囚われない自由な発想を重要視しています。
近年、その類いの掛軸を見かけるようになっては来ていますが、僕にはある違和感があります。
黒を基調としたモダンでおしゃれな掛軸・・・
巧みな技を凝らした工芸品のような掛軸・・・
斬新なデザインの目を引くような掛軸・・・
何か忘れていないでしょうか、、、
表具の美は、本紙(作品)をさり気なく引き立てることであり、本紙の内容・意味・想いを理解してこそなのです。
だから僕の表創(HYO-SOU)には、頭から足の先・寸法の数字にまで、全て意味があります。
意味がなければならないのです。
その上で格好良いものを創るのです。