2017年12月
ワクワク!
杉材組子下地
僕が、散々申し上げてきた『杉材組子下地』です。
屏風や額・襖に使用する下地ですが、現在では殆どがベニヤ板やボール下地(厚紙)で、発泡スチロール素材もあります。
予算や手間を省くには仕方ないことかもしれませんが、松月堂の下地は一貫して『(白)杉材組子下地』を使用しています。しかも、指物屋さんには頼まず僕が全て製作します。だから、どんな寸法・形でも自由自在です。もちろん、予算に合わせて框を檜材にしたり、組子の数や細かな仕様をより高価な仕立てにすることもあります。
この組子下地が、書・絵画の保存に大きく関わっているのです。
表具の見栄えの深部には、、おっと、話が止まりませんのでこの辺で。
続きは、またいつか。
三六判の工芸和紙
シークレット
五つの寿
馬毛の糊漉し器
ひな軸の修繕
襖の魅力
表具の中でも僕は、襖(ふすま)が一番好きかもしれない。
襖には、日本の文化・芸術・生活様式が凝縮されていて、襖の構造も素晴らしく作業工程も実に面白い。
ちなみにこの写真は障子ではなく、透かし襖(又は太鼓襖)と言われる歴とした襖です。
暗い部屋へ透かす柔らかな灯りが、なんとも優美。この灯りが嫌いだと言う日本人がいるなら会ってみたいものです。
襖は、灯りを通すことも臥すこともでき、部屋を間仕切りすることもでき、絵画を保存し鑑賞させることもでき、人の気配をほんのり伺うこともでき、そして扱う人の心(配慮)が試されるところが粋である。
本当の襖を知らない時代になって来ている、、
もっと多くの人に襖の持つ魅力を伝えたいっ、でも僕は焦っていない、、
こんな素晴らしいものが無くなるわけがないと言う確信があるからだ、、
そして僕が襖を守っていくからだ。