カテゴリ:額装(和額・扁額) > 額装(修繕)

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藤田嗣治は、日本生まれのフランスの画家・彫刻家。フランスに帰化後の洗礼名はレオナール・ツグハル・フジタ。 第一次世界大戦前よりフランスのパリで活動、猫と女を得意な画題とし、日本画の技法を油彩画に取り入れつつ、独自の「乳白色の肌」とよばれた裸婦像などは西洋画壇の絶賛を浴びた。エコール・ド・パリの代表的な画家である。 ※wiki参照
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作家/藤田嗣治 作品/猫の親子
ご依頼主/岐阜県



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作品/龍
ご依頼主/岐阜県




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作品/美人画
ご依頼主/愛知県




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この写真は、ご依頼品を預かった際の状態です。
おそらくこの状態が改善されるイメージが湧かない人が大多数と思われます。
それとは裏腹に、僕には明確なイメージが湧いていました。
もちろん最善を尽くす為に、時間をかけて幾通りの修繕プランを用意します。そして、工程が進むごとに都度最良のプランを選び修繕しています。
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本紙はバラバラかつ脆いので、取り扱いはとてもデリケートです。
既存のパーツ(本紙)は、全て生かします。
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額装の土台にある本紙も下記写真の様に解体(取り外し)していきます。
非常に繊細な作業が続きます。
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バラバラになっていたメインの本紙を元の配置へと仮合わせしています。
※後ほど一旦ばらし、修繕作業・補強作業を施したら裏打ちをします
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修繕を終えた本紙は、この通り良好な状態へと変貌を遂げました。
元々欠損していた部分は、既存の本紙の色味の中で一番薄い色味よりもワントーン薄い色味で補紙しています。これは作為的に行ったのですが、話すと長くなりますので割愛します。
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書:小松宮彰仁親王(日本赤十字社総裁)・額装修繕(修理修復)
ご依頼主:岐阜県




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書:神月徹宗(妙心寺派第16代管長)

最も粗悪な額下地(ベニア下地)に張り込んであった書は、ご覧の通りシミだらけです。
おそらくベニア下地からの悪影響で、こうなってしまったと推測されます。
なんとも痛々しい状況です。
できる限りの修繕及び染み抜き処置を行いました。
もちろん、額下地は杉材の本格組子下地で新しく拵えています。
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※アクリルガラスを入れてある為、反射しています
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『無尽蔵』
いくら取ってもなくならないこと。限りがないこと。
この言葉をきくとどうしても、欲・煩悩がちらついてしまいます。
あぁ、無情、、

さて、額装の修繕及びシミ抜きのご依頼です。
修繕(修理修復)をする際には、基本的に額の下地・額縁は新調します。
余程の状態の良い額下地でない限りは、修繕した作品に悪影響が出る恐れがあるからです。
また、状態の良い額下地であった場合でも補修処置を行い新品同様の製品まで仕立て直しします。

そうすることで、作品を良好な環境で保存することができるのです。
※アクリルガラスは必須です
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今回のアクリルガラスは、ご依頼主のご希望で反射防止加工されたものを使用しました。
通常のアクリルガラスと比べるとその差が分かります。




修繕の目的は、現状維持が最重要。
シミ抜きは本紙になるべく負担を掛けないように「やんわり」と落とすことが理想です。
その為、ご依頼主には丁寧かつ慎重な説明をしております。
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ほら、こんなにも汚れが落ちているのです。
※薄茶色は、本紙から出てきた汚れです

ご依頼主・和歌山県和歌山市




本紙は羽二重で、無数の斑点染み・4ヶ所のセロハンテープ痕(染み)、、、、
頭を抱えたくなるような条件は整っています、、
安全かつ的確な染み抜き処置プランを考え、作業に入りました。
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彩色画の絹本は、神経を使います。
絹本全体の地色を考慮し、今回は強く染み抜きするのではなく、ふんわりと染みを落とすことを心掛けました。
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修繕作業には様々な種類の道具を使用しますが、
やはり自分の手の感覚は信用できる数少ない道具の一つです。
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 手のケアをすることも職人として大事な心得です。



 

破損している本紙(作品)は言わば、負傷した患者さんのようなものです。
しかしながら、人間と違い松月堂の患者さんは何も話してくれません、、、
どこが痛いのか、こちらから丁寧に診断をし、少しでも痛みを和らげてあげるような思いで
破損部分を修繕していきます。
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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後





いちばん理想的な染み抜きは、自然にふんわりと汚れを除去する感じ。
あまり強く染み抜きすることは、本紙に負担を掛けるため好ましくない、、、
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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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 ▲修繕後




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本紙部分のみです。
古い掛軸からくり抜かれたままの状態です。
以前に安易な修繕の形跡有りです。

修繕後に悪影響を及ぼす可能性がある異物・無駄な修繕痕を除去し、適切な処置を行いました。
なんかオペみたいですね、、、
でも、作品に対してはそれくらいの配慮を怠りません。
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本紙の風合いを損ねないような古風な表具にしています。
軸先は、宗丹軸です。



 

染みの種類は条件によって様々です。
本紙(作品)の時代、保存環境、どんな染みなのか、染みになってからどれだけ経過しているか・・・
それをどこまで理解することができるか本紙と何度も会議します。2015_02230039
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経年劣化、折れ、破れ、欠損、剥がれ、和紙はボソボソ、以前に不適切な修繕形跡有り、その上元々の古い掛軸から切り取られ、簡易的な仮の掛軸へ両面テープで貼り付けてある始末、、、
また、なるべく低コストで修繕して欲しいとのリクエスト。
納期は当方のタイミングという条件で、幾つもの修繕プランを立て問題が起きたとしても臨機応変に処置できるように万全を期しました。
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▲修繕前
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▲修繕後




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 ▲修繕前
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 ▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後
 


 

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表具においての修繕とは現状維持が大前提である。
必要以上に綺麗にすることや手を加えることではない。
現状維持を念頭におくと、修理・修復という言葉に違和感が出てくる。
大事なのは見た目よりも繕われた中身である、、、




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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中身についてなら何時間でもお話ししますよ。




ご依頼の本紙(手形)を拝見するなり、孫をあやすお爺ちゃんの様な顔になった私はまだ30代(笑)
見ず知らずの家族の手形なのに、こんなに温かく、気持ちが優しくなり、胸がいっぱいになるんですね。
私も近いうち必ず家族の手形を取り表装したいと思う今日この頃。

さて、神奈川県からご依頼の本紙は、破れ・欠損・シワ・折れ・カビ・シミ・経年劣化と甚だしい状態でした。本紙の診断を入念にし、修繕プランを作り額装にお仕立てしました。
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▲修繕前
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▲修繕後



 

この仕事を真面目に向き合えば向き合うほど、悲しくなることがあります。
それは、正しい表装(修繕・新調)を施していないご依頼品を拝見させていただく時です。

お客様への想い、作者への敬意、そして表装に対する愛情・・・職人として当然のことです。
それ以上に良いものを生み出そうとする心がプロフェッショナルだと自負しております。

今回は、昨日ご依頼いただいた悲しい現実をご紹介します。
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4、5年前に古い額装(扁額)を額縁屋さんで手直ししてもらったそうですが、甚だしい処置が施されておりました。
建築物で言えば、欠陥住宅。医療で言えば、医療ミス。
4、5年前に傷を抱えたままの状態です。

①最低限の見栄えが悪い(作品を引き立てようとする配慮が全くない) ※天地の余白があり過ぎる。額縁の見付が太過ぎる。


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②以前の扁額に張り込まれてあった作品を修繕することなく切りとって上に乗せただけの仕上げ。
③裏打ち剥し・剥落止め・異物除去作業の皆無、もちろん再裏打ちもしない悪質な処置。



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④両面テープ(合成樹脂)で部分的に作品を止めてあるだけ。和紙の作品に合成樹脂を使用することは悪影響しかない!ご法度である!



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⑤額下地が粗悪なべニアのパネル仕上げ。考えられません。最低です。通常は、障子の様な組子(格子)下地に和紙を張り重ねて仕上げたものを化粧していきます。
表装には、鑑賞と保存を考慮した素晴らしい技術があるにもかかわらず、作品の保存への配慮が欠落しています。



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⑥額縁の留めがホッチキスと釘で処理してある。しかも留めには隙間がある。

以上ですが、話せば何時間でも語り続けられるくらい表具への熱い想いが込み上げますが、ぐっと押し堪えます。

今回ご依頼のあったお客様には、誠意をもって最善のお仕事をさせていただきますのでご安心ください。


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