カテゴリ: 掛軸(軸装)

DSC00629
昨年7月19日にblogで千少庵をご紹介しましたが、
今回は、少庵の子である千宗旦、つまり千利休の孫です。
千宗旦は、千家三代目で宗旦流(三千家)の祖とされる茶人。

今回のご依頼品は、掛軸から本紙部分だけ切り取られた状態。
長期の経年劣化が見受けられましたが、適切な修繕処置を行い、
次の時代へ架け橋をすることができました。
DSC00630
▲修繕前
DSC00885
▲修繕後




DSC00883
DSC00879 (1)
軸先は宗丹軸。




白山権現(はくさんごんげん)は白山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神であり、十一面観音菩薩を本地仏とする。白山大権現、白山妙理権現とも呼ばれた。神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、全国の白山権現社で祀られた。※wiki参照
DSC02887
▲修繕前
DSC03107
▲修繕後




DSC02884
▲修繕前
DSC03110
▲修繕後




DSC02883
▲修繕前
DSC03109
▲修繕後




DSC02882
▲修繕前
DSC03108
▲修繕後




DSC02881
▲修繕前
DSC03113
▲修繕後
※良好な状態で掛軸を保存するのには、太巻き桐箱は必須です



DSC03112



 

DSC03867DSC03868
DSC03869
飛鯉/美山 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県関市




DSC03870
DSC03871
DSC03872
彩色山水/美山 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県関市




DSC03873
DSC03875
DSC03876
松上双鶴/美山 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県関市




掛軸を桐箱へ収納する際には、
表具用(美術品用)の防虫香を使用することをお勧めします。
カビ・染みや虫喰いを防ぐ方法の一つです。
2014_09250013
▲before
2014_12220004
▲after




2014_09250014
 ▲before
2014_12220005
 ▲after




2014_09250015
 ▲before
2014_12220010
▲after




2014_09250008
▲before
2014_12220002
▲after




報告が遅くなりましたが、2月28日にBlogでご紹介した版画作品です。
ご依頼主から大変喜んでいただき、表具師として嬉しい限りです。
本当に励みになります。
ご依頼主の思い、端午の節句、作品から受けたイメージを掛軸表装で表現しました。
DSC03709
DSC03711
DSC03710
DSC03712
端午の節句(版画)・掛軸表装
ご依頼主・高知県安芸市




『喝』ほど禅旨を端的に示す言葉はなく、禅宗では本来叱咤の声で、相手が言句を差しはさむ余地を与えないために用いられた言葉だそうです。

この仕事をしているとこの言葉が身に沁みます。
2015_05300006
▲修繕前
 2015_06180007
▲修繕後




2015_05300005
 ▲修繕前
2015_06180005
▲修繕後




2015_05300004 (1)
▲修繕前
2015_06180002 (1)
▲修繕後




いつかの続きですが、どれだけ高価な桐箱でも収納期間には限界がございます。
一年中桐箱にしまいっぱなしは良くないのです。
もちろん、年中掛けっぱなしもよくありませんよ。
DSC00888 (1)
▲before
DSC01177 (1)
▲after



DSC00889
▲before
DSC01178 (1)
▲after



 

染み抜きのご案内をする際には、
期待値の5割程しか染み抜きの改善は見込めないとお伝えしています。
それは、正直やってみないと本紙の特徴を細部まで把握することができないからです。
机上の空論とはよく言ったものです。
DSC02194
▲before
DSC02564
▲after




DSC02195
▲before
DSC02568
▲after




DSC02196
▲before
DSC02571
▲after




どうですか?
期待値の5割は超えているでしょうか?




温厚で高潔な人柄と、占領地での軍政・指導能力は高く、名将という評価を受けている。
その人柄、エピソードは今日でも旧占領国の現地住民だけでなく、敵国であった連合国側からも称えられている(ウィキペディア参照)

背筋がピンとなり、気を引き締める思いで、修繕させていただきました。
DSC00996
▲修繕前
DSC01254
▲修繕後




DSC00997
▲修繕前
DSC01255
▲修繕後




DSC00999
▲修繕前
DSC01257
▲修繕後




DSC00995
▲修繕前
DSC01253
▲修繕後




2012_06010019
ご依頼主は、中島正雄先生(陶芸家)の大ファンで、松月堂へご来店いただくたびに
中島先生の茶碗やお人柄を熱く語っておられ、私もいつも刺激になり成長させていただいております。
何かに没頭し、情熱を注ぐ人はキラキラと輝いて見えます。そして何よりそういうお方には、とっても魅力的なオーラを感じます!

さて、私もその情熱を少しでも理解し、勉強し、悩み、楽しみながら表装しました。
ちなみにご依頼主のご要望は、実物の茶碗と墨画を直感的にイメージできるような掛軸にして欲しいとのこと、、、
20121209_175107 (1)
写真では伝わらない、私の思いや拘りがいっぱい詰まっております。





DSC03878
DSC03880
DSC03881
DSC03877
松月堂へお引き取りにいらっしゃるお客様には、
仕上がった掛軸を最高の状態でお渡しできるように心がけております。




DSC03721DSC03722
DSC03723
DSC03724
六字名号・西本願寺派・掛軸表装
ご依頼主・岐阜県美濃加茂市




DSC02432
DSC02431
墨蹟・掛軸表装
ご依頼主・神奈川県横浜市




DSC02428
DSC02427
墨蹟(君が代)・掛軸表装
ご依頼主・神奈川県横浜市




見た瞬間、目を背けたくなるくらい迫力のある地獄図。
しかしながら、その迫力に怯むことなく向き合わなければならぬ本紙の状態。

某ご寺院様ご依頼の掛軸(地獄図)の状態は、横折れが甚だしく以前の修繕痕には無意味な箇所への折れ伏せが多数してあった為、先ずその除去作業に追われることとなりました。
その後、適切な箇所への折れ伏せ処置をして、横折れが甚だしい掛軸には絶対条件である太巻き桐箱へ納めお引き渡しとなりました。
2014_02030011
▲修繕前
2014_03240039
▲修繕後




2014_02030012
▲修繕前
2014_03240040
▲修繕後




2014_02030013
▲修繕前
2014_03240042
▲修繕後




2014_02030014
▲修繕前
2014_03240045
▲修繕後




2014_02030017
▲修繕前
2014_03240048
▲修繕後




2014_02030010
▲修繕前
2014_03240035
▲修繕後




2014_03240051
2014_03240052
▲太巻き桐箱収納




掛軸の保管には、調湿性能のある桐箱・タトウ箱へ収納することを強くおすすめします。
しかしながら、桐箱へ入れっぱなしも良くないのです。
定期的な風通しが不可欠です。
この続きは次回、、、
DSC00513
▲before
DSC00636 (1)
▲after




DSC00514
▲before
DSC00637 (1)
 ▲after




DSC00511 (1)
▲before
DSC00635 (1)
▲after



 

DSC03331DSC03329
DSC03337
DSC033360001
DSC03334
DSC03335
DSC03339
DSC03338
Hina・JIKU】にインスパイアされた【WAKA・武者】は、端午の節句にお似合い
【WAKA・武者】が強く、たくましく育つ男の子を優しく見守ってくれます

Hina・JIKU】と比べ、表具の柱を太くすることによりたくましさをイメージし、色味は藍色で日本男児らしさを演出しました
本紙筋廻しと掛軸の覆輪(両サイド)は3厘(約1mm)と極細仕立てです
軸先は、誠実で爽やかな色味の青磁を使用

とにくデザイン・仕様にはとことん拘って表装しました

息子を想う、父の力作です
DSC03263
DSC03322
【WAKA・武者】
 作品:若武者と鯉のぼり(友禅和紙)
 裂地:西陣織(古代風正絹)※無地部2色共に
 軸先:青磁
 収納:高級二重上桐箱(加州塗り箱・タトウ箱・美術品用防虫香付き) 
 ※高級桐箱(タトウ箱・美術品用防虫香付き)に変更可

 本紙サイズ【巾:47㎝ × 高さ:63㎝】
 掛軸サイズ【巾:73㎝ × 高さ:170㎝】※軸先含む

お問合せはこちら▼
info@shogetsudo-hyoso.jp




DSC00184 (1)
▲修繕前
DSC00267 (1)
 ▲修繕後




DSC00098
 ▲修繕前
DSC00276
▲修繕後




DSC00099
▲修繕前
DSC00278
 ▲修繕後




DSC00625
▲修繕前
DSC00749
 ▲修繕後




DSC03219
DSC03173DSC03174
DSC03186
DSC03183
DSC03185
DSC03184
DSC03198
DSC03196
本紙(作品)のイメージをデザイン表具で表現しました
使用する裂地の色味・柄はもちろん、軸先にもこだわりました

 【Hina・JIKU】が桃の節句を華やかな空間にしてくれます
初節句を祝う女の子へ『一生モノの贈り物』を

掛軸は大切に扱えば、一代を見守ってくれます
でも、そこには『本物』の技術が不可欠

松月堂・四代目表具師が全工程手作業で心を込めてお仕立てしています
DSC03155
【Hina・JIKU】
 作品:立雛(友禅和紙)
 裂地:西陣織(武田菱)※アクセント部
 軸先:朱塗り蒔絵唐草
 収納:高級二重上桐箱(加州塗り箱・タトウ箱・美術品用防虫香付き) 
 ※高級桐箱(タトウ箱・美術品用防虫香付き)に変更可

 本紙サイズ【巾:46㎝ × 高さ:64㎝】
 掛軸サイズ【巾:65㎝ × 高さ:158㎝】※軸先含む

お問合せはこちら▼
info@shogetsudo-hyoso.jp




古い染みと新しい染み、当たり前のことですが
新しい染みの方が除去し易いです。
2014_09250003
▲before
2014_12220014
 ▲after





DSC03014
佛・掛軸表装
ご依頼主・岐阜県関市





IMG_0231
掛けてみた。




DSC02654DSC02652
竹有上下節/山川宗玄 筆 掛軸表装
ご依頼主・神奈川県横浜市



DSC02748
DSC02750
無 事/山川宗玄 筆 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県美濃加茂市




DSC02751
DSC02753
無一物中無尽蔵/山川宗玄 筆 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県美濃加茂市



DSC02754
DSC02756
日々是吉祥/山川宗玄 筆 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県美濃加茂市



DSC02757
DSC02760
平常心是道/山川宗玄 筆 掛軸表装
ご依頼主・岐阜県美濃加茂市



神奈川県は相模原市からお越しいただいた、ご依頼主(H様)の『思い出の書』です。
高校時代、夏休みに汗をかきながら必死になって書に向き合った渾身の作品で、
そんな思いを理解してくれていた、H様のお父様が十数年間大切に保管してくれていたものだそうです。そのお父様の想いと高校時代の思い出をH様は丁寧にお話ししてくれました。
父娘の温かい絆を知った私は、目の汗を堪えるのに必死でしたっ・・・
そうなると私の熱量を表装に込めるのが楽しみでなりません!

ご依頼主と相談しながら『青かった直向きな夏』をイメージしながら
表装させていただきました。

長時間の打ち合わせにお付き合いいただきましてありがとうございました。
DSC02425
DSC02421
DSC02422
DSC02424

 

DSC02134
『大観音図』 本紙サイズ【W:700×H:1500】
拝見させていただいた瞬間に鳥肌が立ちました。観音様のパワーに圧倒されました!



DSC02131
DSC02130
DSC02132
DSC02135

本紙の状態によっては、染み抜き作業をお断りする場合もございます。

修繕は、あくまで現状維持が最優先です。
DSC01842
▲before
DSC02263
▲after




DSC01841
▲before
DSC02262
▲after




DSC01843
▲before
DSC02265
▲after




DSC02266




DSC02253
『紅白梅』



DSC02282
『武者と子』



DSC01905
『あめにもまけず』



DSC01742
『山呼萬歳声』 梶浦逸外



DSC01739
『葉々起清風』 谷耕月


DSC01781
千利休は言わずと知れた、茶人。
表具師にとって非常に密接な関係にある茶道。
過去・現在・未来、いつの時代にも茶の湯の精神は、日本人にとって誇りであり、財産であると言い切れます。

この掛軸は、千少庵の書で利久の娘婿であり、千宗旦の父なのです。
所有されるご依頼主は、とても掛軸のことにお詳しく、茶掛けの美を深く理解されているお方です。
今回のご依頼は、経年劣化の甚だしい状態の掛軸を本紙だけではなく表具も修繕してほしいとのご依頼でした。以前に修繕した形跡があるのですが、適切な処置ができておらず、傷を負った状態のままでした。

作業にかかる前には、入念な状態確認と幾通りの修繕方法を考え万全の準備をし、臨みました。
何とか満足のいく修繕作業ができ、ホッといたしました。


修繕前の掛軸▼
DSC01536




非常に緊張感を必要とする作業です。
決して慣れることはありません。
DSC01597
▲before
DSC01773
▲after


本紙の状態を把握することがとても重要です。

美濃国の仙厓さんと言えば、禅僧であり画家でもある地元では有名な御方です。
日本全国をみれば誰もが知る有名な画家さんは数知れず…しかしながら、日本全国をみれば地元では有名な画家さんも数知れず…

生粋の地元民である私は、身近な有名人に愛着が沸きがち。
DSC01577
状態の悪かった本紙も


DSC01732
修繕を施し、この通り。


継承作業完了です!

横折れのひどい掛軸を修繕した際には、『太巻き桐箱』を使用します。
2015_02230027
芯棒を使い掛軸の直径を太くすることによって、
修繕した掛軸の横折れを保護しているのです。
単純な仕組みですが、非常に理に適っています。

ちなみにこんな掛軸▼
DSC00844

↑このページのトップヘ