カテゴリ: ◆表装ラボ◆

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表具師のあるべき姿。

月日荘さんで展示されている13組の作家さんの素晴らしい「短冊」の数々を拝見し、掛軸を表装することの本質を改めて教えて頂くことが出来ました。

創造すること
想像すること

この二つの違いを理解しつつ、バランスを絶妙にとっていく作業こそが表具師の仕事であると思うのです。

「短冊」
9月18日(土) - 26日(日)
11:00 - 19:00
※ご予約制です

月日荘
愛知県名古屋市瑞穂区松月町4-9-2

 【13組の作家さん】
浅岡千里
朝倉世界一
内田剛一
華雪
新保慶太
新保美沙子
中神敬子
中澤希水
ハタノワタル
三原佳子
山口信博
山田英幸
湯浅景子 
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屏風に施す「受け張り」と言う作業に使用する和紙を刃物ではなく、手で食い裂いた断面です。数枚重なった和紙の毛羽立ち具合が実に気持ち良い。

この食い裂き部分を利用することで精度の高い屏風へと仕上がります。

ちなみに和紙は手漉きの5匁。
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修繕作業前に行う事。

・ご依頼主との打ち合わせ
・検査と写真撮影
・修繕プラン計画
・作品表面のチリ落とし等
・剥落止め

その他、作品の状態によって必要なことは全て備えます。




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今週中に仕上げる掛軸の軸先。

軸先は、ファッションに例えると靴に近いと思う。

だから選定はとても悩みます。
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掛軸の本紙(作品)です。
状態は甚だしく、今にも壊れてしまいそうです。

この写真は、修繕準備が整えられたところですが、実はここに至るまでがとても重要なのです。

修繕作業は不安の連続で、その不安材料を一つ一つ消していくには、最高の準備が不可欠です。

いざっ。
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思い掛けない出来事が起きました。

先日お越しいただいたご依頼主が、以前postした記事をご覧になり僕が所有しているものと同じ『京の座敷』を持参してくださいました。

なんでも、30年ほど前にご自宅を建てる際の参考資料として入手され、僕のpostでその時の事を思い出し、ご縁を感じてくださったそうです。

この書物は贅沢な装丁を裏切らない、とても素晴らしい内容で当時の販売価格は48,000円と所有する人を選ぶ、強気な想いすら感じさせられます。

あまり非科学的なことは好きではありませんが、
ご依頼主は関西圏のお方で、生まれも世代も全く異なる二人を引き寄せる不思議な力を持つこの書物。作者は当時こんな奇跡を予想していただろうか。

慌てて二冊並べたところを撮らせて頂いたので、あまり良い写真ではありませんが僕にとっては、かけがえのない大切な思い出となりました。

ご依頼主には感謝しかありません。
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額装・屏風・襖に用いる下地の製作過程の一コマです。

見た目から鎧掛けとも言い、一寸毎に重ねていき簑掛けだけで五層(五重)になっています。と言っても何が何だか分からないと思います。

要するにとても複雑で手が込んでいるという事です。

下地に張り込む和紙は、異なる特徴を持った和紙で構成されています。

【下地の構造】
①骨下地(組子下地)
②骨縛り
③胴張り
④蓑掛け(五重)
⑤蓑押さえ
⑥中受け
⑦上受け
⑧上張り(化粧張り)

全ての工程に意味があり、表装する上でこの下地の役割は数十年に亘り大いなる機能を果たしていきます。
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本日、打ち合わせで月日荘さんへ。

伺う道中、突然の雷雨に見舞われましたが、到着する頃には嘘の様な晴やかな天気。

艶やかな庭木が歓迎してくれました。

とても素敵な空間でした。
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茶道・華道をやられている方なら馴染みのある真行草のことです。
行の行は通称三段表具と呼び、字の如く三種の裂地を使用して仕立てる掛軸のことです。

表具師は、この三種の取り合わせと本紙(作品)のバランスに是非が問われているのです。5AD60158-7550-4D4A-BDE1-7AF12E4B33B8




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修繕に取り掛かる前に入念に行います。
お仏壇の中に掲げる三幅一対の仏壇軸です。




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五寸・六寸・七寸の3サイズのWASHIKAKUを製作中です。
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掛軸の本紙(作品)に損傷が無く、表具部分に傷みや破損がある場合は部分修理することが可能です。
通常の修繕・仕立て直しと比べると予算もかなり抑えることができます。
気になっている方は、お気軽にご連絡ください。
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▲before
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▲after




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▲before
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▲after
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何やらおもしろい事が始まりました。
今の時代だからこそ出会えたご縁に感謝です。



 

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表具師の竹篦です。

用途に合わせて使い分けるのですが、全て自作です。
手先の延長線として欠かせないこの道具には自分のリクエストが吹き込まれています。

節の位置、持ち手の具合、竹のしなり、厚み、先端の形状、、、手前味噌ですが極上の仕上がりです。

自作なのでメンテナンスも自在です。A037288E-F699-4128-9F3B-563E6C35BF9F




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檜面金の軸先です。
無垢の温かみとゴールドは意外と調和し、表具を引き立ててくれます。
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目に焼き付けることと同じ感じです。

これまでに手漉き和紙・機械漉き和紙・洋紙・その他...ありとあらゆる紙に触れてきました。
紙に触れる際に必ずやることは、手にあるパーツ全てを使い、その感触や質感を手に記憶させることです。

何度も何度も手で確かめることで適材適所に紙を使い分けられるようになっていくのです。
この本薄美濃紙(二匁)の手触りは極上でした。
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僕の仕事にとって避けては通れぬ重要なものである。
和紙の存在を最も身近に感じているのは、もしかすると表具師かもしれません。

だからこそ和紙へのリスペクトは計り知れません。

この工房・空間に足を踏み入れることも心中穏やかではいられません。
今日ここに来れたことに感謝です。
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およそ1.5ミリの幅を一定に保ちながら筋を作っています。
手先の器用さも必要ですが、こういう動作は呼吸を意識することが結構大事だったりします。
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金屏風に使用する縁です。

如何なる作業の時も材料や部品は、綺麗に並べないと気が済みません。



 

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仕立てには幾つもの工程があります。
そしてその工程作業には職人独自の呼び名が存在します。

僕はその呼び名の意味を自分なりに解釈しながら作業しています。




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焼き物の軸先。

作家による名作でもなければ、高価な軸先でもありません。
いわゆる普及品ですが、取り合わせ・使い方によって格好良く魅せることはできるものです。

ここ数年、用の美という言葉に惹かれている自分がいます。




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御朱印帳を解体し、屏風や額装・掛軸へ仕立てる作業は決して安易な気持ちでは行えません。

在るべき姿を違う形へと変化させることには責任を持たなければならないと思っています。




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軸装に使用する裂地(西陣織)で、本金正絹という非常に贅沢な品です。
本金の輝きは正に黄金色、上品かつ重厚なオーラを放っています。

出来上がりが楽しみです。
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仕事始めは、裏打ち剥がしから。
心身共にリフレッシュした状態ゆえなのか作業が捗ります。




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決して、製品としてのクオリティを大きく左右する部分では無いかもしれませんが、細部まで丁寧に仕上げることが僕の拘りです・・・いや、性分ですかね。
納得いくまでとことんやらないと気が済まないんです。
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八双金具の取り付け




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風袋の取り付け




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明日からの作業に向けて表装裂地の選定をしました。
さぁ、まもなく師走、気合入れます。




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掛軸や額装・屏風に使用する表装裂地の防縮加工の一コマです。

裂地は全て異なる特徴があるので、一点一点確かめながら作業していきます。 
また、ただ作業するのではなく仕上がった際の裂地の表情をイメージすることで、より質の高い仕事になる様な気がします。



 

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修繕作業の重要な工程である裏打ち剥がし。

3〜5層の異なる和紙を一枚一枚剥がし、本紙(作品)のみにすることが目的です。

裏打ちを剥がす道具のメインとなるのがピンセットと指先です。
それぞれの長所を活かしながら、適材適所で道具を使い分け少しずつ丁寧に和紙を剥がしていきます。

根気のいるこの作業で大事なのは、リラックスすることです。




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屏風に品格を与えてくれる装飾品。

無くてもいいものかもしれないけれど、これを取り付ける行為は、
ちょっといい時計を付けて出かける感じに似ている。




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掛軸にしつらえる風帯の製作準備をしています。

風帯は金襴を使用することが多く煌びやかな印象がありますが、その内側なのでイメージが湧かないかと思われます。
薄っすら白く見えるのは、和紙で裏打ちを施している証拠です。

風帯は、折り目を付け畳んで収納するので、柔らかくふっくら仕上げることが大切です。




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修繕する掛軸は先ず、検品・調査・写真撮影を行います。
その後、3〜5種類の刷毛(道具)を使い分けながら、本紙(作品)に付着している埃や塵・汚れを優しく丁寧に取り払っていきます。

気を抜くと本紙を傷つけてしまうので、息を殺して刷毛を指先のような感覚にし神経を研ぎ澄まします。 
この時に検品・調査の質が問われます。入念な準備をしておけば、安心に繋がるのです。




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六曲屏風の屏風縁の下準備中です。
艶消しのマットな質感がカッコイイ。




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うん、どれも僕の好みの色味です。
これを屏風に張り込みます。 




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縮み工程を経た表装裂地にアイロン掛けしています。
ただシワを伸ばすだけの単純作業ではありません。 

表装裂地は、幾何学模様が細かく織られており、縮みを施した際に若干の歪みが出ます。
それをスチーム機能を上手く使いながら、柄をミリ単位で補正していくのです。
そうしてようやく裏打ちの準備が整います。




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日本人であるとか、宗派とか、それだけに捉われることのないくらい、大いなる存在のような気がします。



 

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松月堂では、二種の純楮手漉き和紙を裏打ちし、屏風の蝶番として使用しています。
手を掛けて丁寧に仕立てた和紙蝶番は、50年経っても良好な状態を保ちます。
こうした見えない部分の集約があって、はじめて良い屏風と言えるのです。
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