カテゴリ: ◆表装ラボ◆

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一文字や風帯に用いられる表具裂。
竹屋町は、金糸縫の一種で紗や羅などの薄物に平金糸や色糸で文様を縫ったものです。
十七世紀に京都の竹屋町の辺りで優れた紗が織られ、それに縫いをしたため、このような名称となったと言われています。
好きな表装裂の一つです。
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現代において、この言葉に相応しい人は少ないのかも知れない。

先日、表具の打合せをさせて頂いたご依頼主は正に数寄者である。

もう8,9年のお付き合いになります。とても物腰の柔らかいお方ですが、その拘りにはいつも感心させられます。

茶掛けが好きな理由は、見た目のバランスだと仰います。もちろん、書の意味やストーリーも熟知しておられますが、重要なのはビジュアル。

通りで話しが合うはずです。




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表に釘を見せない無双仕上げの屏風縁の留は、一発勝負。
良い仕上がりになりました。
初お披露目は、ご依頼主にとっておきます。DSC00132




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屏風に使用する縁の準備。
無垢の良さや経年変化をより楽しんでもらう為、敢えてコーティング処理をしていません。




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掛軸は大きな一枚ものではなく、プラモデルの様にパーツを継いて構成されています。

継ぎ目は、1分(約3㎜)です。94B82EF5-84C3-4F1C-B059-F95C548D05D1




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表具師は、帙(ケース)や貼り箱も仕立てます。

もちろん、ご依頼品を収納することを目的とした特注の場合に限りますが。

今回は、ご依頼主のオーダーに合わせて古裂を使用しました。

和紙・裂(布)・糊・糸で仕立てられるものは恐らくどんなものでも可能です。

例えば、和綴じ・御朱印帳も特別な時にだけ仕立てます。

全て表装技術が成せる技です。
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プラスチック製ではなく、骨
小鉤を使用しています。

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上蓋の裏は、金銀砂子紙で化粧しています。



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先日、久しぶりに糊桶を新調しました。

あまりの仕立ての良さに思わず何枚も写真を撮ってしまいました。

蓋のデザイン・小口の滑らかな仕上げ・シームレスと思ってしまう程のしっとりとした繋ぎ目・そして、ステンレス製のタガが全体を引き締めてくれている。

木桶は管理に少々手が掛かりますが、使っている感があって良い。

これから自分の手に馴染ませていくのが楽しみです。
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日本には古来から空間の境界として衝立がある。

もちろん表具には、襖や屏風といった間仕切り(境界)も存在するが、衝立は極めて結界に近い感覚が僕にはある。
衝立は襖や屏風と違い、空間を大きく遮ることはできない。
そこに居る互いの気遣いが不可欠で、双方の配慮によって衝立の役割は成立する。

美と心の共存である。

考えてみると、寺院、店や家の玄関にあるのはそういうことなのである。
外界と内界の境に存在する。

この古き良き日本の美を衝立は教えてくれている。
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少し突っ込んだ話をすると、和モダン・和テイストの様な軽はずみな造語に正しい和など無いと思っている。
和室という言葉にさえ疑問が残る。
和を正しく取り入れた空間もあまり見かけない。
畳があって床の間があって、掛軸や額が掛けてあれば和室なのだろうか、、、
いや違う、座敷という見方が正しい方向性であると思う。
和の様式・基本を知っていれば、打ちっ放しコンクリートの空間にも座敷を表現することは可能である。

一つ言えることは、正しい和の方向性を表具師は知っている。
申し上げたことは、あくまで洒落である。笑




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名古屋にある月日荘さん企画のもと製作した『短冊掛け』です。
裂地は表情豊かなカディコットンで、通常の短冊掛軸を再構築するように高さ・巾・糸巾・軸先のサイズ感を細かく見直しています。
全ては、短冊が自然に引き立てられるようにする為の仕立てであることが目的です。

短冊という小さなフォーマットで、書・絵画・アートを気軽に愉しんでみてください。

YouTubeでProduction video(製作動画)も公開しております。
クリック ⇒ 短冊掛軸 production video - YouTube


張る・撫でる・打つ・断つ・付ける・継ぐ・結ぶ


表具師の基本動作を映像に納めています。
手仕事でしか成し得ない技をご覧ください。


余談ですが、先日ある中学生の動きの所作を映像で拝見しました。
無駄のない動き、一点集中する瞬発力、次の初動への流れ、大の大人が心を打たれてしまいました。
彼の師からすれば、まだ発展途上ではあるのですが、僕にとっては動き(所作)を見つめ直す貴重なキッカケになりました。

無駄がないとは決して余白が無いというわけではなく、一瞬の間(余白)を大切にしようとする心が彼から感じられ、その部分に人となりが現れてくるのだと思います。

僕もそうなれるように精進せねば。
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Sサイズ・Mサイズ・Ⅼサイズで展開しています。
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こうして並べてみると、御菓子の様で美味しそう見えますが、陶器の軸先です。

軸先は掛軸の足元を印象付ける大事なパーツです。

陶器の軸先は、一つ一つバラつきがある為少し気を使いますが、表情に味があり見ていて飽きないです。
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古裂・新裂、素材は綿・麻・絹・その他様々です。

裂毎に一点一点、工夫しながら縮み矯正を掛けていきます。

そうする事で、裏打ちする際に変化が起こっても慌てず対処出来ます。

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書 華雪
短冊掛け

3/25(金)-3/31(木)
於 月日荘
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ご依頼主のリクエストで急遽、一箇所だけ組子の間口を広げ通路を作りました。

組子の透かし襖だからこそ出来る手法です。

なんだかホッコリしてしまいます。C25431A9-D89D-42FF-876C-697AD769A137




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四曲半双の金屏風と黒屏風を製作しています。

一面/巾:尺五寸(45㎝)×高さ:二尺三寸(69㎝)と小ぶりで、ご依頼主のオーダーに合わせてのオリジナルサイズです。

四曲屏風は、二曲屏風と比べ色々な使い方が出来ます。




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見ているだけで楽しい。

この裂地(布)を使って短冊掛けを製作します。
布毎に特質があるので、一つ一つ工夫をしながら仕立てていくのも創作意欲が掻き立てられ、作り手としては良しです。
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裂地の縮み掛けの風景



 

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修繕に一年掛かりました。

①検品・調査・現状の撮影
②材料・その他費用の細かな見積り
③修繕プランの設計
④下準備
⑤屏風の解体・本紙の解体(剥がし)
⑥本紙の修繕作業
⑦屏風下地の製作
⑧修繕した本紙×12枚の張り込み
⑨屏風の化粧・装飾
⑩検品・梱包

技術的な部分を確実に発揮させる為には平常心が必要です。
様々な工程に合わせて、湿度・温度・時間帯を緻密に計算しながら精神を整える作業は、とても大変でした。しかしながら、緊張感の続く過程も貴重な体験であると意識することで一つ一つ課題を着実に乗り越えていく事が出来ました。

普段の何気ない準備や職人作業の積み重ねが、こういった場面で力になる事が多くあります。
日々鍛錬です。

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右隻/西王母
中国の神話上の女神。玉山または崑崙(こんろん)山に住む、人面・虎歯・豹尾の女神。
後に、神仙思想の発展とともに仙女化され、周の穆(ぼく)王が西に旅した時に瑶池で宴を開き漢の武帝に降臨して仙桃を与えた言われている。道教の成立後は東王父と一組の神格とされた。

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左隻/東方朔
中国(前漢)の文人で平原厭次(山東省)の人。字 (あざな) は曼倩 (まんせい) 。
武帝に仕えたが、巧みなユーモアと奇行により道化的存在だったという。西王母の桃を盗んで食べ長寿を得たという伝説がある。
 
桃は、仙果といわれ不老長寿をもたらす。東方朔は、西王母という仙人の仙桃を盗んで食べ、仙術を得て、800歳の長寿を得たという。古来めでたい主題として、この屏風の様に西王母と対にして描かれることがしばしばある。

修繕作業② (1)
修繕風景




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昨日今日で、大小合わせて14点の裏打ちをしました。

肌裏・増裏など数層の和紙が打ち付けてあり、現在はゆっくりと乾燥させているところです。

これを軸装・額装に仕立てます。

裏打ちは、手先だけでなく全身で行う作業なので心身共にとても疲れます。
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雲母が持つ独特の光沢感が美しい五七の桐の唐紙
意匠性の高いフォルムの赤銅月文字の引手

普遍的なデザインは、決して色褪せることはありません
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作/中村淳子
絵/やすらぎ地蔵

シワやヨレ、破れや欠損も裏打ちを施すことで作品(本紙)の状態を改善することができます。
また、裏打ちには作品を長期に亘り良好に保存する機能が備わっています。
表具(軸装・額装・屏風)には、それが高次元に施されているのです。
形に残さずとも裏打ちを施すだけでも作品の未来は確実に相違してきます。
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先日、愛知県名古屋市の中学校で半日ではありますが『ものづくり』をテーマに授業をしてきました。

全てが初めてのことで、不安とワクワクが入り混じる中での『挑戦』でした。
対象の生徒さんは、21名の中学一年生。

僕は、表具師という世間に馴染みのない仕事をしているので普通の職種と比べると、よりハードルは高くなります。製作を体験してもらいながら、表具の構造や機能をどうやったら子供たちに楽しく理解してもらえるのだろうか、資料作りも含めてとても悩みました。

表具師は、マイナーな仕事故に道具や材料・教材も揃っていないのが現実です。だから、無いものは自分で何とかする『工夫する』ことが常なのです。

その意味で、授業のテーマは『少ない情報の中から想像(創造)し、手を動かしてみる』にしました。
現代では、情報はどこにでもあり多様化しています。良い事かもしれませんが、本質を見極める力がないと薄っぺらな人になりがちです。何かを成し遂げていくためには、物事を深堀りしていくことが重要です。

そこで、表具の基礎である『和紙・糊・裏打ち・下地』を手を巧みに使いながら知ってもらうために、小さな障子の様なモノを一から製作してもらいました。プロダクトとしては、チープな見た目なので些か恐縮ではありましたが、構造を理解するための『ものづくり』に焦点を絞りました。

にも関わらず、生徒の皆さんは意欲的に色々考えながら、そして理解しながら丁寧に手を動かし製作してくれました。凄く嬉しい、こんな気持ちになれたのは初めてでした。

月並みな言葉になってしまいますが、生徒に教えるつもりが自分が教わる授業になっていました。
後日、21名の生徒さんからお礼のお手紙まで頂き、感無量です。

正に表具師冥利につきる体験となりました。

最後にこのような場を設けてくださった、中学校・運営をしてくださった方・そして生徒の皆さん、ありがとうございました。
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※写真撮影時のみマスクを外しています




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穏やかな海
晴れ渡る空

この和紙には様々な表情があり、つくる人・つかう人の創造力を掻き立たせてくれます。

ご依頼主所有のこの和紙をどの様に仕立てていくか、どうぞお楽しみに。
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年内最後の軸装の仕上げに掛かりました。
これから、軸棒・八双・紐を取り付け検品も兼ねて細部の施しを丁寧にチェックしていきます。

良い出来になりそうです。

軸装の仕事を終えれば、額装の仕上げを残すのみとなります。

ようやく出口が見えてまいりました。




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表装裂地として初めて使用する布です。

調べてみると、インドを代表するシルクで日本や中国の代表的な繭と比べると大きく、野生味に溢れておりタッサー種は森の中で育ち、その多くは蛾が飛び立った後に採取される(家蚕のように身がある状態で煮沸して糸取りをしない)ことから、アヒンサー(不殺生)シルクと呼ばれているそうです。

その野生味故なのか肌裏打ちにかなり苦戦しましたが、布の特性を知ることで対処する術を学ぶことができました。

試行錯誤から得るものは作り手にとって褒美です。520F86EB-7DA6-46D3-914D-CF85E29F5534




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ガラス戸だったところを茶室で用いられる太鼓張り襖(坊主襖)で納めました。
以前のガラス戸は、非常に重く建て付けも悪いことから開け閉めが大変で施主様にとってかなりストレスなものでした。

透かし襖は、自然光を障子の様に柔らかく取り入れるだけでなく通常の建具と比べ、とても軽く扱い易いのが特徴です。

シンプルで洗練された普遍的なデザインのこの襖は、空間に簡素な美を演出してくれます。




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本紙(作品)は、既存の情報のみで構成されていることが理想です。

ヨーロッパの修復の様に当時の作品を復元することが目的ではありません。

故に作業は、難航します。

作品を残すこと(修繕)は、当時の情報を正しく伝えることでもあるのです。

それが結果として、歴史資料にもなり得るからです。

その意味で、下支えとして最低限の色を補う作業が補彩です。




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本紙(作品)を修繕し、
額の下地を作製し、
下地に和紙や裂地で化粧を施し、
本紙を張り込み、

そして、最後に額縁を本体に取り付けていきます。本体・本紙に粗相がないよう進めていく作業に失敗は許されません。

やり直しの効かない『留め』の工程は、緊張しないことが一番です。D68C3B18-565F-4E53-AEE1-18E93C77CCEBE137AE2F-774D-4898-9E4F-C63EC2187826




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巻子の見返しに使用する金砂子紙は、自ら金砂子を和紙に撒いています。
砂子の割合や形は様々あると思いますが、僕は本金箔と中金箔を敢えて混ぜて作っています。

いつまでも輝き続ける本金の中に、色褪せていく中金の経年変化を愉しんで頂きたいという面白みを含ませています。

いずれ、金金砂子が金銀砂子の様な味わいになれば良いなと。
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坊主襖とも呼びます。
障子ではありません。

日が落ち作業を終え、工房の照明を消すと現れる日常の風景。

和紙がもたらす温かな灯り。

贅沢な眺めです。




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つゆいと。
風帯の端に施す装飾です。

絹の艶やかな質感が良いのですが、フワフワしているので指先のコンディションが悪いと扱いづらい糸です。

これからの季節は、手の保湿が欠かせません。
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表具師のあるべき姿。

月日荘さんで展示されている13組の作家さんの素晴らしい「短冊」の数々を拝見し、掛軸を表装することの本質を改めて教えて頂くことが出来ました。

創造すること
想像すること

この二つの違いを理解しつつ、バランスを絶妙にとっていく作業こそが表具師の仕事であると思うのです。

「短冊」
9月18日(土) - 26日(日)
11:00 - 19:00
※ご予約制です

月日荘
愛知県名古屋市瑞穂区松月町4-9-2

 【13組の作家さん】
浅岡千里
朝倉世界一
内田剛一
華雪
新保慶太
新保美沙子
中神敬子
中澤希水
ハタノワタル
三原佳子
山口信博
山田英幸
湯浅景子 
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屏風に施す「受け張り」と言う作業に使用する和紙を刃物ではなく、手で食い裂いた断面です。数枚重なった和紙の毛羽立ち具合が実に気持ち良い。

この食い裂き部分を利用することで精度の高い屏風へと仕上がります。

ちなみに和紙は手漉きの5匁。
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修繕作業前に行う事。

・ご依頼主との打ち合わせ
・検査と写真撮影
・修繕プラン計画
・作品表面のチリ落とし等
・剥落止め

その他、作品の状態によって必要なことは全て備えます。




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今週中に仕上げる掛軸の軸先。

軸先は、ファッションに例えると靴に近いと思う。

だから選定はとても悩みます。
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掛軸の本紙(作品)です。
状態は甚だしく、今にも壊れてしまいそうです。

この写真は、修繕準備が整えられたところですが、実はここに至るまでがとても重要なのです。

修繕作業は不安の連続で、その不安材料を一つ一つ消していくには、最高の準備が不可欠です。

いざっ。
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思い掛けない出来事が起きました。

先日お越しいただいたご依頼主が、以前postした記事をご覧になり僕が所有しているものと同じ『京の座敷』を持参してくださいました。

なんでも、30年ほど前にご自宅を建てる際の参考資料として入手され、僕のpostでその時の事を思い出し、ご縁を感じてくださったそうです。

この書物は贅沢な装丁を裏切らない、とても素晴らしい内容で当時の販売価格は48,000円と所有する人を選ぶ、強気な想いすら感じさせられます。

あまり非科学的なことは好きではありませんが、
ご依頼主は関西圏のお方で、生まれも世代も全く異なる二人を引き寄せる不思議な力を持つこの書物。作者は当時こんな奇跡を予想していただろうか。

慌てて二冊並べたところを撮らせて頂いたので、あまり良い写真ではありませんが僕にとっては、かけがえのない大切な思い出となりました。

ご依頼主には感謝しかありません。
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額装・屏風・襖に用いる下地の製作過程の一コマです。

見た目から鎧掛けとも言い、一寸毎に重ねていき簑掛けだけで五層(五重)になっています。と言っても何が何だか分からないと思います。

要するにとても複雑で手が込んでいるという事です。

下地に張り込む和紙は、異なる特徴を持った和紙で構成されています。

【下地の構造】
①骨下地(組子下地)
②骨縛り
③胴張り
④蓑掛け(五重)
⑤蓑押さえ
⑥中受け
⑦上受け
⑧上張り(化粧張り)

全ての工程に意味があり、表装する上でこの下地の役割は数十年に亘り大いなる機能を果たしていきます。
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本日、打ち合わせで月日荘さんへ。

伺う道中、突然の雷雨に見舞われましたが、到着する頃には嘘の様な晴やかな天気。

艶やかな庭木が歓迎してくれました。

とても素敵な空間でした。
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茶道・華道をやられている方なら馴染みのある真行草のことです。
行の行は通称三段表具と呼び、字の如く三種の裂地を使用して仕立てる掛軸のことです。

表具師は、この三種の取り合わせと本紙(作品)のバランスに是非が問われているのです。5AD60158-7550-4D4A-BDE1-7AF12E4B33B8




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修繕に取り掛かる前に入念に行います。
お仏壇の中に掲げる三幅一対の仏壇軸です。




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五寸・六寸・七寸の3サイズのWASHIKAKUを製作中です。
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掛軸の本紙(作品)に損傷が無く、表具部分に傷みや破損がある場合は部分修理することが可能です。
通常の修繕・仕立て直しと比べると予算もかなり抑えることができます。
気になっている方は、お気軽にご連絡ください。
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何やらおもしろい事が始まりました。
今の時代だからこそ出会えたご縁に感謝です。



 

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表具師の竹篦です。

用途に合わせて使い分けるのですが、全て自作です。
手先の延長線として欠かせないこの道具には自分のリクエストが吹き込まれています。

節の位置、持ち手の具合、竹のしなり、厚み、先端の形状、、、手前味噌ですが極上の仕上がりです。

自作なのでメンテナンスも自在です。A037288E-F699-4128-9F3B-563E6C35BF9F




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檜面金の軸先です。
無垢の温かみとゴールドは意外と調和し、表具を引き立ててくれます。
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目に焼き付けることと同じ感じです。

これまでに手漉き和紙・機械漉き和紙・洋紙・その他...ありとあらゆる紙に触れてきました。
紙に触れる際に必ずやることは、手にあるパーツ全てを使い、その感触や質感を手に記憶させることです。

何度も何度も手で確かめることで適材適所に紙を使い分けられるようになっていくのです。
この本薄美濃紙(二匁)の手触りは極上でした。
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僕の仕事にとって避けては通れぬ重要なものである。
和紙の存在を最も身近に感じているのは、もしかすると表具師かもしれません。

だからこそ和紙へのリスペクトは計り知れません。

この工房・空間に足を踏み入れることも心中穏やかではいられません。
今日ここに来れたことに感謝です。
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およそ1.5ミリの幅を一定に保ちながら筋を作っています。
手先の器用さも必要ですが、こういう動作は呼吸を意識することが結構大事だったりします。
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金屏風に使用する縁です。

如何なる作業の時も材料や部品は、綺麗に並べないと気が済みません。



 

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仕立てには幾つもの工程があります。
そしてその工程作業には職人独自の呼び名が存在します。

僕はその呼び名の意味を自分なりに解釈しながら作業しています。




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焼き物の軸先。

作家による名作でもなければ、高価な軸先でもありません。
いわゆる普及品ですが、取り合わせ・使い方によって格好良く魅せることはできるものです。

ここ数年、用の美という言葉に惹かれている自分がいます。




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御朱印帳を解体し、屏風や額装・掛軸へ仕立てる作業は決して安易な気持ちでは行えません。

在るべき姿を違う形へと変化させることには責任を持たなければならないと思っています。




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