カテゴリ:修繕(修理・修復) > 染み抜き

色紙の染み抜きは、色紙を解体することが必須です。
表面から染みを部分的に抜くことは、リスクもあり仕上がりも良くありません。また、古い色紙から表面だけキレイに出来たとしても一時的なもので、古い色紙の悪影響が考えられます。簡単そうにみえますがすごく繊細で手間がかかる仕事です。

大まかな工程は以下の通りです。
①本紙(作品)の調査と撮影
②本紙表面の汚れ落とし
③本紙の剥落止め・滲み止め
④色紙の解体(本紙表面だけを薄く剥がします)
⑤本紙の染み抜き・修繕作業
⑥本紙の裏打ちと仮張り
⑦本紙を新しい色紙へと形成していきます
⑧仕上げに金で縁取りします

DSC05858
▲before
DSC06790
▲after




DSC05859
▲before
DSC06803
▲after




DSC05860
▲before
DSC06804
▲after

染み抜き/色紙
ご依頼主:滋賀県




DSC00172
本紙(作品)の状態は脆く、虫食い・欠損・破れ・横折れに加えて長期に亘って強く付いた特殊な染みがあります。ご依頼主の第一希望は、染み抜きということでしたが、本紙の状態を考慮しながら労わるように作業を進めていきました。様々な条件が重なった場合の修繕・染み抜きには、幾通りもの修繕プランを事前に用意していくことがとても重要です。
DSC00177
▲before
DSC00927
▲after




DSC00170
▲before
DSC00935
▲after




DSC00169
▲before
DSC00934
▲after




DSC00168
▲before
DSC00933
▲after




DSC00176
▲before
DSC00932
▲after




DSC00175
▲before
DSC00931
▲after




DSC00918
DSC00919
DSC00920
DSC00921
DSC00923
DSC00924DSC00925
DSC00917
DSC01008
作家:出口王仁三郎/天祥地瑞
ご依頼主:長野県




染み抜き作業の結果は、ご依頼主のご希望を下回ることもございます。
何故なら、人間のご病気と同じで決して同じ染みは存在しないので、結果にはそれぞれ誤差が生じるからです。
『いつ・どこで・どのような』条件や環境により染みになったかを想像し、見極めなければなりません。
そして、作品を守ることが最優先ですので、無理な染み抜きも控える必要がございます。

その意味で、結果が下回ることは、作品の現状維持としては良好なことであるとご理解いただけると幸いです。
※因みに今回ご依頼のお軸は、最良の染み抜き結果を得ております
DSC07890
▲before
DSC08854
▲after




DSC07891
▲before
DSC08856
▲after




DSC07893
▲before
DSC08860
▲after




DSC07894
▲before
DSC08868
▲after




DSC07895
▲before
DSC08862
▲after




DSC07892
▲before
DSC08858
▲after




DSC07887
▲before
DSC08853
▲after




DSC08845
DSC08846
DSC08847
DSC08848
DSC08850
DSC08851
DSC08852
DSC08859
作家:出口王仁三郎/達磨
ご依頼主:長野県




カビ染み、虫食いになる原因の一つは、収納するタイミングにあります。
掛軸は、和紙、布、木材で成り立っているので、高湿度の時は水分を含み、低湿度の時は水分を放出します。
その為、掛軸を桐箱へ収納する際は、その季節の中でもなるべく低湿度の日(雨ではなく晴れ)に収納することをおすすめします。もちろん、桐箱には調湿機能がありますが、桐箱内の状態をより良好にする意識を持ってあげると、掛軸は喜びます。
DSC05847
▲before
DSC06698
▲after




DSC05849
▲before
DSC06701
▲after




DSC05848
▲before
DSC06699
▲after




DSC05887
▲before
DSC06702
▲after




DSC05846 (1)
▲before
DSC06696 (1)
▲after




DSC06689
DSC06690
DSC06691
DSC06692
DSC06693
DSC06695
DSC06694
作家:大塚洞外/観音菩薩
ご依頼主:滋賀県




色紙の染み抜きは、色紙を解体することが必須です。
表面から染みを部分的に抜くことは、リスクもあり仕上がりも良くありません。また、古い色紙から表面だけキレイに出来たとしても一時的なもので、古い色紙の悪影響が考えられます。簡単そうにみえますがすごく繊細で手間がかかる仕事です。

大まかな工程は以下の通りです。
①本紙(作品)の調査と撮影
②本紙表面の汚れ落とし
③本紙の剥落止め・滲み止め
④色紙の解体(本紙表面だけを薄く剥がします)
⑤本紙の染み抜き・修繕作業
⑥本紙の裏打ちと仮張り
⑦本紙を新しい色紙へと形成していきます
⑧仕上げに金で縁取りします

DSC05872 (1)
▲before
DSC06793 (1)
▲after




今回のご依頼品には、もともと掛軸収納箱(桐箱)があったのですが、その桐箱には無数のカビ染みが斑点状に帯びていました。掛軸と桐箱のいずれから発生したのかは、定かではありませんが、保存・保管の状況が良好ではなかったことは伺えます。
よって、修繕(染み抜き)後の掛軸を収める桐箱は、今後のカビ染みの発生を防ぐことも考慮し、新調することをお勧めしました。

修繕するという行為は、ご依頼品(掛軸)単体だけではなく、それを取り巻く環境全てを整えることがとても大切です。
DSC07166
▲before
DSC08032
▲after




DSC07167
▲before
DSC08033
▲after




DSC07168
▲before
DSC08034
▲after




DSC07169
▲before
DSC08039
▲after




DSC07170
▲before
DSC08040
▲after




DSC07171
▲before
DSC08042
▲after




DSC07172
▲before
DSC08043
▲after




DSC07165
▲before
DSC08031
▲after




DSC08024
DSC08023
DSC08026
DSC08029
DSC08030
DSC08036
DSC08038
表具のトータルバランスから、真新しい煌びやかな本金鍍金金軸ではなく、古びた風合いのある古代色金軸を選びました。
DSC08075
作家:出口王仁三郎/観音様
ご依頼主:長野県




掛軸収納箱(桐箱)には、調湿性能があります。
だからと言って、仕舞いっぱなしは良くありません。
お家と同じで、桐箱の中も掛軸もリフレッシュ(空気の入れ換え)が不可欠です。少なくとも年に一度は、陰干しを兼ねて飾ってあげてください。そうすることで、虫喰いやカビ染み予防になります。
DSC06117 (1)
▲before
DSC06491 (1)
▲after




DSC06118
▲before
DSC06492
▲after




DSC06121
▲before
DSC06496
▲after




DSC06119
▲before
DSC06493
▲before




DSC06122
▲before
DSC06498
▲after




DSC06120
▲before
DSC06495
▲after




DSC06490
DSC06484
DSC06488
DSC06487




絹本(シルク)の染み抜きは、紙本(和紙)と比べてより困難です。
動物性と植物性の違いから、作業工程も全く異なります。
下部写真のように、本紙(作品)自体の状態が甚だしいものは、特にデリケートです。
DSC05933
▲before
DSC06318
▲after




DSC05934
▲before
DSC06320
▲after




DSC05935
▲before
DSC06321
▲after




DSC06313
DSC06314
DSC06315
DSC06316
一文字は、おめでたい『福寿』です。




染み抜きをする上で重要なことは、起こりうる結果をどれだけイメージできるかです。
『 プロセスを逆算する 』とカッコいいことを言ってみる。
DSC05939
▲before
DSC06353
 ▲after




DSC05940
 
▲before
DSC06360
▲after




DSC05943
▲before
DSC06361
 ▲after




DSC05944
 
▲before
DSC06363
▲after



DSC06346
DSC06350
DSC06354




DSC04038
書:神月徹宗(妙心寺派第16代管長)

最も粗悪な額下地(ベニア下地)に張り込んであった書は、ご覧の通りシミだらけです。
おそらくベニア下地からの悪影響で、こうなってしまったと推測されます。
なんとも痛々しい状況です。
できる限りの修繕及び染み抜き処置を行いました。
もちろん、額下地は杉材の本格組子下地で新しく拵えています。
DSC04043
▲before
DSC04664
▲after




DSC04044
▲before
DSC04665
▲after




DSC04042
▲before
DSC04663
▲after




DSC04045
▲before
DSC04666
▲after




DSC04673
※アクリルガラスを入れてある為、反射しています
DSC04674




韓国で仕立てられた屏風と8枚の絵。
ご依頼主のご要望は、本紙(絵画)8枚の修繕及び染み抜きです。

現状の屏風は仕立てが粗悪な為、再利用は不可。おそらく本紙8枚の染みの一番の原因は、屏風下地によるものかと推測されます。
また、然るべき表装がされていない表具(屏風)の剥し(解体)は、容易ではありません。ましてや彩色の染み抜きは、リスクを伴う為、修繕プランの組み立ては困難を要します。

もともと本紙には、補強と保存を兼ね数層の薄い和紙で裏を打つのですが、その仕事も具合が悪い為、古い裏打ち剥し(解体)も長時間かかりました。

ちょっと難しくなってしまいましたが、分かり易く言うと、一番表にくる本紙(絵画)以外を全て取り換えており、修繕前の本紙の環境と、修繕後の本紙の環境の差は、プレハブ小屋と数寄屋建築くらいの格差があるといことです。
本紙(作品)は住む環境によって見映えも保存も変わるのです。
伝えるって難しいですね、、、
DSC03892
▲修繕前
DSC05107
▲修繕後




DSC03890
▲修繕前
DSC05102
▲修繕後




DSC03898
▲染み抜き前
DSC04997
▲染み抜き後




DSC03899
▲染み抜き前
DSC04996
▲染み抜き後




DSC03900
▲染み抜き前
DSC04995
▲染み抜き後




DSC03901
▲染み抜き前
DSC04993
▲染み抜き後




DSC03903
▲染み抜き前
DSC04998
▲染み抜き後




DSC03904
▲染み抜き前
DSC04999
▲染み抜き後




DSC03902
▲修繕前(表具の化粧がうるさい印象があります)
DSC05095
▲修繕後(本紙に合わせた色味の取り合わせをしました)




DSC04826
天地の緞子縁取りの化粧前
DSC04979
天地の緞子縁取りの化粧後
DSC05096
本紙に細い筋廻しを施すことで、絵画を品よく引き立てる効果を出しています。
DSC05103
天地の緞子縁取り(太目部分)と本紙筋廻しの色味(金茶色)を合わせることによってトータルバランスを考えいています。
DSC05105
DSC05085
DSC05110
屏風の保管袋も用意しました。




『無尽蔵』
いくら取ってもなくならないこと。限りがないこと。
この言葉をきくとどうしても、欲・煩悩がちらついてしまいます。
あぁ、無情、、

さて、額装の修繕及びシミ抜きのご依頼です。
修繕(修理修復)をする際には、基本的に額の下地・額縁は新調します。
余程の状態の良い額下地でない限りは、修繕した作品に悪影響が出る恐れがあるからです。
また、状態の良い額下地であった場合でも補修処置を行い新品同様の製品まで仕立て直しします。

そうすることで、作品を良好な環境で保存することができるのです。
※アクリルガラスは必須です
DSC04299
▲before
DSC04808
▲after




DSC04295
▲before
DSC04809
▲after




DSC04293
▲before
DSC04810
▲after
今回のアクリルガラスは、ご依頼主のご希望で反射防止加工されたものを使用しました。
通常のアクリルガラスと比べるとその差が分かります。




修繕の目的は、現状維持が最重要。
シミ抜きは本紙になるべく負担を掛けないように「やんわり」と落とすことが理想です。
その為、ご依頼主には丁寧かつ慎重な説明をしております。
DSC04505
▲before
DSC04970
▲after




DSC04508
▲before
DSC04964
▲after




DSC04510
▲before
DSC04965
▲after




DSC04511
▲before
DSC04966
▲after




DSC04775
ほら、こんなにも汚れが落ちているのです。
※薄茶色は、本紙から出てきた汚れです

ご依頼主・和歌山県和歌山市




いつかの続きですが、どれだけ高価な桐箱でも収納期間には限界がございます。
一年中桐箱にしまいっぱなしは良くないのです。
もちろん、年中掛けっぱなしもよくありませんよ。
DSC00888 (1)
▲before
DSC01177 (1)
▲after



DSC00889
▲before
DSC01178 (1)
▲after



 

染み抜きのご案内をする際には、
期待値の5割程しか染み抜きの改善は見込めないとお伝えしています。
それは、正直やってみないと本紙の特徴を細部まで把握することができないからです。
机上の空論とはよく言ったものです。
DSC02194
▲before
DSC02564
▲after




DSC02195
▲before
DSC02568
▲after




DSC02196
▲before
DSC02571
▲after




どうですか?
期待値の5割は超えているでしょうか?




色紙の染み抜きには色紙なりの手法がある、、、
高度な技術が必要ですが、逆算するような思考で修繕プランを立てればリスクなく
染み抜き処置を行うことができるのです。
DSC00192
▲before
DSC00336
▲after




DSC00191
▲before
DSC00332
▲after




掛軸の保管には、調湿性能のある桐箱・タトウ箱へ収納することを強くおすすめします。
しかしながら、桐箱へ入れっぱなしも良くないのです。
定期的な風通しが不可欠です。
この続きは次回、、、
DSC00513
▲before
DSC00636 (1)
▲after




DSC00514
▲before
DSC00637 (1)
 ▲after




DSC00511 (1)
▲before
DSC00635 (1)
▲after



 

染みの種類は条件によって様々です。
本紙(作品)の時代、保存環境、どんな染みなのか、染みになってからどれだけ経過しているか・・・
それをどこまで理解することができるか本紙と何度も会議します。2015_02230039
▲before
2015_03200002
▲after




2015_02230038
▲before
2015_03200005
▲after




2015_02230040
▲before
2015_03200007
▲after




2015_02230041
▲before
2015_03200009
▲after




↑このページのトップヘ