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日本には古来から空間の境界として衝立がある。

もちろん表具には、襖や屏風といった間仕切り(境界)も存在するが、衝立は極めて結界に近い感覚が僕にはある。
衝立は襖や屏風と違い、空間を大きく遮ることはできない。
そこに居る互いの気遣いが不可欠で、双方の配慮によって衝立の役割は成立する。

美と心の共存である。

考えてみると、寺院、店や家の玄関にあるのはそういうことなのである。
外界と内界の境に存在する。

この古き良き日本の美を衝立は教えてくれている。
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少し突っ込んだ話をすると、和モダン・和テイストの様な軽はずみな造語に正しい和など無いと思っている。
和室という言葉にさえ疑問が残る。
和を正しく取り入れた空間もあまり見かけない。
畳があって床の間があって、掛軸や額が掛けてあれば和室なのだろうか、、、
いや違う、座敷という見方が正しい方向性であると思う。
和の様式・基本を知っていれば、打ちっ放しコンクリートの空間にも座敷を表現することは可能である。

一つ言えることは、正しい和の方向性を表具師は知っている。
申し上げたことは、あくまで洒落である。笑