2018年08月

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美しい刺繍の観音様。
先週、愛知県よりお越しいただいたご依頼主の西国三十三ヶ所霊場・満願納経軸です。

2年掛けてご夫婦で参られたそうで、西国の御詠歌をすごく大切にされているのが印象的でした。
ご依頼主のご実家には、先代、先々代が満願された掛軸がいくつもあるのですが、ご自分で巡礼して表装されるのは初めてとのこと。
そうと知れば、僕の職人ギアはミドルを飛ばしてハイギアに入ります。
ご依頼主にとって初めての表装が、良い思い出となると同時に満足のいくものであってほしいという思いで一所懸命にお仕立ていたしますね。

ちなみに、ご来店予約のお電話の際に「最初から松月堂さんに決めています」と仰っていただけたお言葉がとっても嬉しかったです。
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掛軸の修繕は、本紙の修理修復と共に表具(裂地や軸先)も新しく取り替えるのが基本です。
もちろん、本紙の時代背景や風合いによっては、真新しい裂地ではなく古びた風合いの裂地を使用します。

ですが、例外として表具を再利用したり、ご依頼主所有の裂地や軸先を使用することも昔からあるのです。
これは、表具を嗜まれるマニアックな掛軸の愉しみ方なのです。
表装裂地には、稀に名物裂と言われる裂地自体に価値があるものもあります。名物裂でなくても僕が貴重と思った裂地の場合も再利用することもあります。

しかしながら、古く朽ちている裂地を再利用するには、時に本紙以上に技術を求められることも少なくないので、最善の準備が必要です。

今回のご依頼は特殊で、一文字と風帯は再利用し、中廻しと天地はご依頼主所有の裂地で仕立て直しをしています。※ちなみに軸先もご依頼主所有のものです
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ご依頼主のご要望により、一文字は既存の表装裂地を再利用しています。




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ご依頼主のご要望により、風袋は既存の表装裂地を再利用しています。




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ご依頼主所有の象牙の軸先です




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ご依頼主のご要望により、風袋は既存の表装裂地を再利用しています。




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作家:千利休/消息
ご依頼主:岐阜県




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