2017年12月

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僕が、散々申し上げてきた『杉材組子下地』です。
屏風や額・襖に使用する下地ですが、現在では殆どがベニヤ板やボール下地(厚紙)で、発泡スチロール素材もあります。
予算や手間を省くには仕方ないことかもしれませんが、松月堂の下地は一貫して『(白)杉材組子下地』を使用しています。しかも、指物屋さんには頼まず僕が全て製作します。だから、どんな寸法・形でも自由自在です。もちろん、予算に合わせて框を檜材にしたり、組子の数や細かな仕様をより高価な仕立てにすることもあります。

この組子下地が、書・絵画の保存に大きく関わっているのです。
表具の見栄えの深部には、、おっと、話が止まりませんのでこの辺で。
続きは、またいつか。
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この掛軸には、ご依頼主のとても温かい想いが込められています。
その想いに応えられるよう、僕も精一杯の気持ちを注ぎました。
表具への細かな拘りはもちろん、表具のデザイン・色味にも深いメッセージがあるんです。
すごくすごく説明したいけれど、僕とご依頼主だけのシークレットです、、、

時や場所、さらには国を越えて、愛のある作品に出会えるのが僕の仕事。
表具師で良かったと思える瞬間です。
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この掛軸を眺めていると、今日は何か良いことがありそうに思えてきます。
そして漢字というものは、色んな表情があり面白いものです。

正月に相応しい作品ですね。
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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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僕は、表具のあらゆる下準備の作業が好きだ。
例えるなら、釣行前日の釣り師が道具や仕掛けを準備しながら、「明日はどうやって魚を釣ってやろうか」と考えている感覚、、

丹念に漉した糊を掬う瞬間は、ちょっとした至福の時間です。
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古いひな軸の多くは、版画物であり本紙は和紙ではなく洋紙の為、修繕プランも洋紙なりの処置が必要です。洋紙は、和紙や絹と違い巻グセが強く扱いもシビアです。
だから、洋紙の性質を理解し、扱い易い掛軸になるように工夫しなくてはなりません。
その工夫の一つが裏打ち和紙の選別です。
適当な裏打ち和紙を使用することで、洋紙の短所を和らげる効果があります。
僕は、この選別の時間がどうしてか好きなんです。
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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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▲修繕前
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▲修繕後




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表具の中でも僕は、襖(ふすま)が一番好きかもしれない。
襖には、日本の文化・芸術・生活様式が凝縮されていて、襖の構造も素晴らしく作業工程も実に面白い。
ちなみにこの写真は障子ではなく、透かし襖(又は太鼓襖)と言われる歴とした襖です。

暗い部屋へ透かす柔らかな灯りが、なんとも優美。この灯りが嫌いだと言う日本人がいるなら会ってみたいものです。

襖は、灯りを通すことも臥すこともでき、部屋を間仕切りすることもでき、絵画を保存し鑑賞させることもでき、人の気配をほんのり伺うこともでき、そして扱う人の心(配慮)が試されるところが粋である。

本当の襖を知らない時代になって来ている、、
もっと多くの人に襖の持つ魅力を伝えたいっ、でも僕は焦っていない、、
こんな素晴らしいものが無くなるわけがないと言う確信があるからだ、、
そして僕が襖を守っていくからだ。




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