DSC05427
この風鎮は、12年以上前に仕入れたものです。
私(四代目)が、四国八十八ヶ所を満願した12年前から風鎮の取り扱いを一切辞めました。
表装を知れば知るほど、掛軸を仕立てれば仕立てるほど、風鎮は不必要なものだと知りました。

はっきり言います、、『 風鎮は、掛軸本来の機能美を著しく損ねています 』

皆さん、重要文化財として美術館に展示されている掛軸に風鎮が掛かっているものを見たことがありますか?
茶室に掲げられている掛軸に風鎮が掛かっているものを見たことがありますか?
そうです、ないのです。
なぜなら不必要だからです、、、


①掛軸の美(見栄え)を考えた時、然るべき表具師は、風鎮のことを考えて表装しません

掛軸は、本紙(作品)を主軸に、周りの表具(裂地)・軸先・軸紐の取り合わせをします。従って、トータルバランスを考えられた掛軸に風鎮を掛けることは、アンバランスを起こすことになるのです。掛軸の格好良さが半減してしまいます。


②掛軸(表具)は、鑑賞品であると共に保存のことも考えられているのです

風鎮を持ってみれば分かりますが、重いです。こんな重いものが軸先部分にずっと掛かっているのは、問題(異常)です。常に負担を掛けていることになります。よって掛軸の劣化・破損の要因となることは明確です。今すぐにでも辞めていただきたいです。保存技術を考慮して仕立ててある掛軸へは悪影響しかありません。


③よくある風鎮の安易な知識とコマーシャル

『風鎮を掛けると掛軸が安定するよ』
風鎮を掛けないと安定しない掛軸は、良い掛軸ではありません。
本当に良い掛軸は、風鎮の重さを利用しなくても、しっかり安定して掛かります。

『風鎮を掛けることを前提に、掛軸を短く仕立てます』
本末転倒なことです。風鎮の為に表具のバランスを崩すことは、表具師としてお勧めできません。

『特典で風鎮をプレゼントします』
掛軸への思いやりが欠けています、、悲しいことです、、、




少々、厳しい内容になってしまいましたが、
掛軸を思うが故、ということでご理解いただければ幸いです。